- フランス・ボルドー地方が原産
- 柑橘系やハーブなどの香りと酸味が特徴的な白ワイン
- ボルドーではセミヨンとブレンドされ、ニュージーランドでは単一品種でつくられ特徴が出やすい。
- 外観-緑がかった淡いレモンイエロー
- 香り-青リンゴ、グレープフルーツなどの柑橘系〜ハーブやパセリ、セロリなどの青っぽさもある
- 味わい-爽やかな酸味、後味にグレープフルーツの皮のような苦味
- 料理-ハーブやレモンを使った料理、和食にもよく合う。刺身もレモンと塩で
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ハーブや芝生、草原の爽やかな香りをもつソーヴィニヨン・ブラン。
シンプルで分かりやすいアロマティックさを持つブドウ品種ゆえに、好き嫌いが分かれるところがあります。
ある人はそのハーブや梨水のような清らかな香りを愛し、またある人はトマトのヘタやパクチーのようなくせのある香りを敬遠します。
しかしながら、世界中でこれほど栽培されているアロマティック系品種はなかなか見かけません。
白ワインの品種を知る過程で、避けては通れないほどポピュラーなブドウです。
今回は、アロマティック系品種の雄、ソーヴィニヨン・ブランを見て行きましょう。
ソーヴィニヨン・ブランおすすめの7選
当サイト専属ソムリエの選んだ、おすすめソーヴィニヨン・ブランを紹介します!
産地別に比較的購入しやすい1000円台のものから、一度は飲んでおきたい高級ワインまで、どうぞお楽しみください🍷
フランス
サンセール・ブラン (ドメーヌ・ミッシェル・トマ)
フランス・ロワール地方のソーヴィニヨン・ブランのお手本と言われるサンセール。
ハーバル、柑橘系のアロマと切れ味鋭い酸味。
爽快でみずみずしく、硬質でさわやか。まさにサンセールの縦に伸びるような味わいが楽しめます。
↓当サイトの専属ソムリエによる、このワインの評価レビューはこちら
レ・オー・ド・スミス・ブラン
ボルドー地方、ペサック・レオニャン地区、シャトー・スミス・オー・ラフィットが作るセカンド・ワインです。
ソーヴィニヨン・ブラン90%、ソーヴィニヨン・グリ5%、セミヨン5%のブレンドで、良く熟れた桃のような柔らかな果実味、アプリコットにバニラの香り、均整の整ったボディで、ボルドーの教科書的な味わい。
アメリカ
ガーギッチ・ヒルズ フュメ・ブラン
カリフォルニア、ナパバレーを代表する生産者です。
クリントン元大統領やエリザベス女王の晩餐会でも供されたワインです。
レモン、洋梨、メロン、イチジク、白桃、キウイ等の清潔感溢れるアロマが心地よく感じられます。
力強く、爽やかなミネラルは豊富でありながらも、それでいてソフトで魅惑的な味わい。
余韻も十分に長く、全ての要素に特筆すべき繊細さが感じられる出来栄えです。
デコイ ソーヴィニヨン・ブラン
大谷翔平選手の(犬の)活躍で、日本でも一躍有名になったカリフォルニア、ナパヴァレーの「デコイ」
こちらは「ダックホーン・ヴィンヤーズ」のセカンド的な位置付けです。
1982年からソーヴィニヨンブランづくりを始めた、ダックホーンの長年の経験を生かし、ソノマ・カウンティ、サン・ホアキン、メンドシーノ、レイク・カウンティなど、ナパの有名な畑のブドウを使い、コクと高級感のあるエレガントな仕上がりになっていて、この価格で味わえるのは嬉しいですね💎
ニュージーランド
クラウディ・ベイ ソーヴィニヨン・ブラン
ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランの一つの時代を作ったマールボロ、クラウディ・ベイ。
華やかなライムやグレープフルーツの柑橘の香り、またジャスミンやほのかにバジルのようなハーブの香りも合わさります。
酸は凛としていて、爽やかな果実としっかりとしたミネラルの余韻が持続します。
マールボロ オーバーストーン
同じくニュージーランド、マールボロのソーヴィニヨン・ブランです。
トロピカルな果実感と瑞々しさ、ライムを思わせる爽快感、すっきりしながらも若干蜜っぽさを感じる余韻もあり、十分に楽しめるワインです。
価格帯も1500~2000円台とコスパ抜群です✨
チリ
モンテス・リミテッド・セレクション・ソーヴィニヨン・ブラン
チリ随一のプレミアムワインの造り手、モンテス。
ソーヴィニヨン・ブランの銘醸地で造られる、フードフレンドリーかつ爽やかな白ワインです。
サクラアワード2025にてゴールド受賞したリミテッド・セレクションです。
ソーヴィニヨン・ブランの特徴、外観、香り、味わい

ソーヴィニヨン・ブランは一度覚えると忘れようが無い、ハーブや草を思わせる香りがしっかりと出ているのが特徴。
ワインの世界では「グラッシー」と表現されます。
世界中で栽培されていますが、そのほとんどは、明るくて嗅ぎ取りやすい香りを守るため、低温に保たれたステンレスタンクで、なるべく酸化を避けながら醗酵させます。
こういったタイプの代表格がニュージーランドで作られるソーヴィニヨン・ブラン。
香りのポテンシャルを最大限まで引き出し、グアヴァやパッションフルーツ、ドラゴンフルーツなどエキゾチックなフルーツの香りと共にハーブ、キュウリ、アスパラガスの爽やかな香りが大きく広がります。
また、ソーヴィニヨン・ブランはセミヨンとブレンドされることがあります。
この場合は樽で熟成され、リッチでフルボディな味わいに仕上げられることが多いです。
フランス、ボルドー地方のペサック・レオニャン地区では堂々たるボディを持つ力強い白ワインが、ソーヴィニヨン・ブランとセミヨンから作られています。
そのすぐ近く、ソーテルヌ・バルサック地区では同様のブレンドから甘美な甘口ワインが生み出され、世界中の名声を勝ち取っています。
最近では同地区でも辛口に仕上げたタイプが増えてきており、ペサック・レオニャン地区とはまた違った優美さを持つソーヴィニヨン・ブラン&セミヨンが楽しめます。
外観
グリーンがかった輝きのある淡いレモンイエロー
温暖地のものは黄色みが増し、粘性も高くなる。
香り
前述の通りのグラッシーな香りが特徴。
メトキシピラジンという成分がこの青い香りの成分です。
ハーブ、芝生、トマトやピーマンのような香りが分かりやすく前面に出てきます。
フランスのロワール地方のように冷涼なエリアでは全体的に爽やかで清楚なイメージに。
洋ナシやライムなど柑橘系の香りと繊細なハーブの香り、それに硬水のミネラルウォーターのようなカッチリとした香りや、場合によっては線香花火のような煙のニュアンスが感じられます。
逆に、ニュージーランドのような日照量豊富なエリアになると、全体的にボリュームアップ。
果実味も柑橘系ではなく、南国のトロピカルフルーツ、グアヴァ、パッションフルーツ、パイナップルのようなイメージが強くなります。
ハーブの香りもがっつりと引き出され、華やかな香りが楽しめます。
ボルドー地方のような樽熟成のスタイルだと、樽から来るバター、コーンのようなこっくりした深みとブドウ品種から来る爽やかな香りが混ざり合い、独特の力強いバランスが感じられます。
味わい
味わいの中心には酸味があり、香りと相まって爽やかな印象を残します。
フランス、ロワール地方の冷涼な気候や、ボルドー地方でも大きな川に挟まれたアントル・ドゥ・メール地区の軽いスタイルでは、かなりしっかりと酸味を感じます。
ニュージーランドやチリなどのヨーロッパ以外の産地ではやややさしめの酸味になりますが、ボリュームある香りと良いコントラストを作り、メリハリのついた味わいが楽しめます。
ソーヴィニヨン・ブランの主な栽培地
フランス

フランスのロワール地方、その中でも特に内陸にあるA.O.C.サンセールとA.O.C.プイィ・ヒュメは世界中のソーヴィニヨン・ブランのお手本。
ソーヴィニヨン・ブランを知りたいならまずはここから飲むべしとも言われる、同品種のメッカです。
ミネラルウォーターのように爽やか、爽快。
ナイフのような鋭い酸と、火打石の香りで緊張感あふれるソーヴィニヨン・ブランです。
サンセール、プイィ・フュメ以外でも、ロワール地方の特に上流域はソーヴィニヨン・ブランを栽培していることが多く、爽快な味わいが楽しめます。
ボルドー地方では基本的に、ボディのあるセミヨン、軽やかな香りを持つミュスカデルとブレンドされます。
大きな2本の川に挟まれたアントル・ドゥ・メール地区では、ロワール地方をもう少しフルーティにリラックスさせたような爽やかなスタイル。
左岸にあるペサック・レオニャン地区では、樽熟成させてどっしりとしたフルボディの白になります。
忘れてはならないのが、同様にボルドー地方にある偉大な甘口の産地、ソーテルヌ・バルサック地区。
トロミのある味わいと、伸びやかで輝かしい香りを持つ、世界最高峰の甘口ワインになります。
ニュージーランド

フランスのサンセールやプイィ・フュメがヨーロッパの古典的なソーヴィニヨン・ブラン代表として、全く新しいソーヴィニヨン・ブランを打ち立てたのがニュージーランドのマールボロ地方でした。
1980年代にクラウディ・ベイというメーカーがマールボロ地方ワイラウ・ヴァレーから生み出したソーヴィニヨン・ブランは、果実味爆弾とも呼ぶべき強いインパクトを持っていました。
グァヴァやパイナップルにもにたトロピカルなフルーツのニュアンス、これでもかというほどの力強い芝生とハーブの爆発。
ソーヴィニヨン・ブランの持つ香りをフルスロットルで引き出した、非常に印象的なワインでした。
これがヨーロッパ以外のワイン産地=ニューワールドでのひとつのスタンダードとなり、以降チリでもオーストラリアでもアメリカでも、ソーヴィニヨン・ブランの香り全開スタイルが定着したのです。
しかしながら、インパクトが強かった分、味わいが単調になりがちな一面があり、また、同じようなスタイルが世界中に広がってしまったため、現在はこれとは違うソーヴィニヨン・ブランのスタイルを模索している生産者がほとんどです。
まだこれといったスタイルは定まっていませんが、ニュージーランドのワイン産業を支えるソーヴィニヨン・ブランがこれからどう進化していくのかがとても楽しみな段階です。
アメリカ

アメリカはカリフォルニア州でソーヴィニヨン・ブランが栽培されています。
1970年代にロバート・モンダヴィが「フュメ・ブラン」という名前でワインをヒットさせて以来、この呼び名が広がりました。
元々ソーヴィニヨン・ブランのワインが持つ煙のような香りに、往々にして樽熟成した香ばしさが加わり、フュメ=煙・ブランという呼び名がぴったりきます。
ソーヴィニヨン・ブランに合う料理
フレッシュな果実味と引き締まった酸、ほのかなほろ苦さを感じるソーヴィニヨン・ブランは、ハーブやレモンを使った料理と非常に相性が良いです。
また、唐揚げや天ぷらなどの脂っこい料理はお互いを引き立たせ、素敵なマリアージュを楽しめます。
お刺身とも相性が良いですが、醤油よりも、塩とレモンで味付けがおすすめです。
天ぷら(エビ、キノコ類、山菜など)
サクサクの衣で仕上げた天ぷら。食材は、そこまで選びませんが、キノコや山菜などのちょっとクセが出そうなものも、ソーヴィニヨン・ブランの酸やほろ苦い後味とうまくマッチします。
ミネラルをたっぷり含んだ天日塩や、お出汁の聞いた天つゆでも◎

鯛のカルパッチョ
鯛のお刺身を薄切りにし、オリーブオイル、レモンを軽く絞って、塩、コショウで味を整えます。
淡白な鯛とオリーブオイル、レモンが、爽やかなソーヴィニヨン・ブランのミネラルとハーブ感を引き立てます。
鯛の他には、ヒラメなどの白身魚、タコやエビなどのカルパッチョもおすすめです。

舌平目のムニエル
もし美味しい舌平目が手に入ったら、小麦粉を軽くまぶしてオリーブオイルと少量の白ワインを加えたムニエル。香ばしい焦がしバターとレモンまたはすだちを添えて。

きのこのクリームパスタ
濃厚でトロピカルなタイプのニューワールドのソーヴィニヨン・ブランには、クリーム系パスタもよく合います。きのこクリームをベースに、チキンなどを

山羊のチーズ(シェーブル)
クロタン・ド・シャヴィニョール(Crottin de Chavignol)は、ロワール渓谷で生産される山羊のチーズです。
山羊のチーズは好みが分かれますが、スッキリした「サンセール」によく合います。
まとめ
アロマティック系品種の代表格、ソーヴィニヨン・ブラン。
誰でもわかりやすく嗅ぎ取れるハーブのような爽やかな香りはとても魅力的。
ハーブと一緒に是非お楽しみください。