ワインの種類はブドウの品種だけでなく、産地や格付けも楽しもう

当記事には広告が含まれる場合があります

ワインの種類を表すアイキャッチ画像 ワインの基礎知識
PR

皆さんはワインを選ぶ時、どうやって選びますか?

「ワインは取り敢えず3,000円くらいするやつ買えばいいんでしょ?」

などと言ってテキトーに選んでしまってはいないでしょうか。

実はそれは非常にもったいないことで、少しの基本的な知識があるだけでもっとコスパの良いワインを選んだり、気分に合わせて選ぶことができます

こちらの記事ではワインの基本的な種類について紹介していますので参考にしていただければ幸いです。

ワインの旧世界、新世界とは?

ワインは世界の様々な場所でつくられています。
それぞれ国や地域では、ブドウの栽培方法、ワインに関する法律、また栽培しているブドウの種類や土地の特徴…などなど。

それぞれの地域のワインを学ぼうとすると情報量は膨大でかなり労力を要します。
そこで、まずはおおまかにワインの世界には旧世界と新世界があることを知りましょう。

旧世界=オールドワールド
新世界=ニューワールド

と呼ばれることもあります。

旧世界とは、呼んで字のとおり、古くからワインが作られてきた歴史のある産地を言います。
ワインづくりは、今から8000年前、BC6000年頃にメソポタミアや現在のジョージアで始まったとされています。

紀元前1500年頃からギリシャやローマに広がり、ヨーロッパ各地へと広がって行きました。
旧世界とは、つまりワイン発祥の地であるヨーロッパ諸国のことです。

一方、新世界(ヨーロッパ以外)にワインが伝わったのは、今から600〜700年前の大航海時代、15世紀頃になってからのことです。

何千年もワインの歴史があるヨーロッパに比べて、ワインの歴史が浅い産地(国々)を新世界と呼びます。

旧世界(オールドワールド)の主な産地

  • フランス
  • イタリア
  • ドイツ
  • スペイン
  • ポルトガル
  • オーストリア
  • ハンガリー など

新世界(ニューワールド)の主な産地

  • アメリカ
  • チリ
  • ニュージーランド
  • オーストラリア
  • アルゼンチン
  • 南アフリカ
  • 日本 など

旧世界と新世界、ワインは何が違うの?

旧世界は、古くからワインの歴史があり、老舗ブランドや何十年もののヴィンテージワインなど「格式高い・とっつきにくい」といったイメージがあります。

ワインの味もどちらかというとちょっと難しく、いろんなブドウの品種を混ぜて作るブレンドワインが主流です。

一方、新世界のワインは一つのブドウ品種(単一品種)で作られているものが多く、さらに安価で流通しているため手頃に買えて味の違いがわかりやすいのが特徴です。

初心者の人にまず飲んで欲しいのは新世界のワインです。

旧世界のワインだと安くても3,000円は出さないと美味しいものに出会いにくいですが、新世界のワインなら1,000円台でも十分美味しいワインがあります。

例えば、チリの「コノスル」というシリーズなどは、1,000円台で安定した質で様々な品種のワインを試すことができます。

スーパーなどでも販売しているので、ぜひ探してみてください。

最初に新世界の単一品種をおすすめするのには、もう一つ理由があります。

なぜかと言うと、旧世界のワインは(一概には言えませんが)、複雑な味わいに仕上がっていることが多く、違いが分からないと、せっかくの高級なワインでも、あまり楽しめないかもしれません。

しかし味の違いがわかってくると、旧世界の美味しいワインは他では変えがたい感動がありますよ。

>> ワインの産地ごとの特徴の記事一覧ページに進む

ワインの品種とは?特徴は?

ワインはブドウからできる飲み物なので、ブドウの種類(品種)によってもかなり味が変わります。

また、それぞれの品種の中でも産地によっても、収穫された年によっても、また製法によっても味や、もちろん値段も変わってきます。

一説によると世界には10,000種類以上のブドウの品種があり、ワインに使用する品種だけでも800~1000品種くらいあると言われています。
ワイン用のブドウの主要品種と言われているものだけでも、実は50種類以上あります。

ここでは、定番中の定番と思われるものだけを、その特徴も合わせて簡単に紹介します。

赤ワインの品種と特徴

  • カベルネ・ソーヴィニヨン
    ワインの帝王と言われる、力強く濃厚な味わいのしっかりとしたワインです。
  • ピノ・ノワール
    偉大なロマネ・コンティをつくる品種です。華やかで香りとエレガントな味わい。
  • メルロー
    まろやかでまるみのある味です。よく、「ビロードのよう」と称されます。
  • シラー
    スパイシーで重厚です、オーストラリア産はシラーズと呼ばれます。

ワインの品種は細かく見ると非常に多いです、なのでまずは定番の品種を順に試してみましょう。

掲載している4品種は定番の中の定番ですので、必ず味の違いをチェックしておきたいところですね!

赤ワインのド定番といえば「カベルネ・ソーヴィニヨン」です。
まずは、ここを中心に考えましょう。

カベルネ・ソーヴィニヨンに対してピノ・ノワールは少し軽め、メルローやシラーは少し重厚といった味になります。

>> 赤ワインのブドウ品種一覧

白ワインの品種と特徴

  • シャルドネ
    世界中でシャルドネのワインが作られていますが、品種に固有の特徴がなく、産地や製法により、様々な味わいになります。「特徴がないのが特徴」と言われたりします。
  • リースリング
    ドイツ原産。りんごやハチミツのような甘やかな香りとエレガントな酸味が特徴的です。
  • ソーヴィニヨン・ブラン
    ハーブや青草の香りでさっぱり爽快な品種です。ほろ苦い後味も特徴的です。
  • 甲州
    日本固有のワインですが、国際的にワインの品種として認められています。
    穏やかでフレッシュな酸味、スッキリとした味わいです。

白ワインと言えばシャルドネです。
シャルドネは各地によってだいぶ味わいが変わるので、まずはブルゴーニュのシャブリなど、辛口の味を基本とします。

それと比べて、リースリングは蜜感が強くフルーティ、爽快に飲むならソーヴィニヨン・ブランといったイメージです。甲州は少し控えめ、上品で軽やかイメージです。

>> 白ワインのブドウ品種一覧

ワインの格付けやラベル表示について

ワインを選ぶときに「グランクリュ」、「1級シャトー」…などという言葉が宣伝文句として添えられているのを見る場合も多いかと思います。

品種、産地(テロワール)、栽培方法、醸造方法、熟成期間など、実に多種多様な要素が組み合わさりワインの味となりますが、一つの目安として「地理的表示」「等級」「格付け」というものがあります。

これらは、特定の産地で伝統的な製法で作られた農産物などの品質を保護し、差別化を図ったり、また消費者にも信頼を提供するための制度です。
日本でも、例えば「夕張メロン」や「神戸ビーフ」などは、これを名乗るのに厳しい基準が設けられています。

ただし、全世界で統一の基準があるわけではなく、世界各地でさまざまな形で発展していった結果、非常に分かりにくいものになってしまっているのも事実です。

フランスのワイン法

AOC(Appellation d’Origine Contrôlée)
  1. AOC(Appellation d’Origine Contrôlée)
  2. IGP(Indication Géographique Protégée)
  3. Vin de France

AOCとは、原産地統制呼称制度と言われるものです。

AOCとはAppellation d’Origine Contrôlée(アペラシオン ドリジーヌ コントロレ)の略で、フランス発音で「アオセ」といいます。

特定の条件を満たしたものにのみ付けられる品質保証のようなものです。

d’Origineの部分に生産地が入り、ワインの場合は産地が小さい単位になるほど高級品として扱われます。

ボルドー(地方名)、メドック(地区名)、マルゴー(村名)の3つなら、マルゴーが高級品ということですね。

例:Appellation Margaux Contrôlée となります。

AOCの下にはIGP(Indication Géographique Protégée)があり、地方名を表示することが可能です。AOCより基準がゆるいものの、ラングドック・ルーション地方の「Pays d’Oc(ペイドック)」などが有名です。

また、フランスにはこの他にも、地域ごとに格付けを行っている場合があります。

あまりに数が多すぎるので、ここでは詳しくは触れませんが、例えば、メドック地区では1級〜5級まで61シャトー(生産者)が格付けされています。

1855年のパリ万国博覧会の際にナポレオン3世により実施されたものですが、150年以上たった現在までもほぼ変更なく引き継がれているというから驚きです。

イタリアのワイン法

イタリアでは、現在では3の等級に分かれています。

  1. DOP/保護原産地呼称
    (Denominazione di Origine Protetta)
  2. IGP/保護地理表示
    (Indicazione Geografica Protetta)
  3. VINO/地理的表示なし

しかし、2009年の法律改正までは、以下のような等級に分かれていたため、DOCGの生産者は現在もなおDOCGの表示を行っています。法律的にも問題はありません。

  1. DOCG/保証付原産地統制呼称
    (Denominazione di Origine Controllata e Garantita)
  2. DOC/原産地統制名称
    (Denominazione di Origine Controllata)
  3. IGT/地理的生産地表示
    (Vino a Indicazione Geografica Protetta)
  4. Vino/地理的表示なし

スペインのワイン法

  1. VPCa/上質単一ブドウ畑限定
  2. VP/単一ブドウ畑限定
  3. DOCa/特選原産地呼称
  4. DO/原産地呼称
  5. VC/地域名付き高級ワイン
  6. Vino de la Tierra/地理的表示保護
  7. Vino/地理的表示なし

ワインは大きく分けると4種類に分類される

一般的に皆さまが思い浮かべる「いわゆるワイン」はスティルワインと呼ばれるものですが、ワインの定義を大きく分けると実は4種類に分けられます。

  1. スティルワイン
  2. スパークリングワイン
  3. フォーティファイドワイン
  4. フレーバードワイン

一つずつ詳しく紹介します。

1.スティルワイン|いわゆるワイン

おなじみの一般的な赤ワインや白ワインはスティルワインに分類されます。

スティルは「静かな」という意味で、スパークリングワインのように発泡しないという理由で名付けられています。

スティルワインに分類されるワイン

  • 赤ワイン
    ぶどうの果皮に含まれるアントシアニンという色素成分の影響で液体が赤くなる
  • 白ワイン
    果汁のみで作られるため、色素が付かない
  • ロゼワイン
    赤ワインと同じように作ったり、黒ぶどうと白ぶどうを混ぜて作ったりするためピンク色になる

スティルワインの色の違いは作る工程で変わるということですね。

一般的にアルコール度数は9〜15度くらいで、甘口の白ワインなど糖度の高いワインはアルコール度数が下がります。

2.スパークリングワイン|シャンパンなど

シャンパンなどの発泡性のワインをスパークリングワインと呼びます。

ちなみにシャンパンはフランスのシャンパーニュ地方で作られたスパークリングワインですね。

代表的なスパークリングワイン

  • フランス
    シャンパン・クレマン
  • スペイン
    カヴァ・エスプモーソ
  • イタリア
    スプマンテ
  • ドイツ
    ゼクト
  • オーストラリア
    スパークリング・シラーズ
  • スロヴェニア
    ペニーナ

著者はお祝い事といえばシャンパン、普段気軽に飲みたいときはカヴァを選択します。

フランスのモエ・エ・シャンドン社のドン・ペリニヨンも日本では有名なシャンパンですね。

3.フォーティファイドワイン|シェリー酒など

ワインの保存性を高めるために、アルコール発酵前や途中でブランデーなどのアルコール度数の高いお酒を混ぜて作られるワインをフォーティファイドワインと呼びます。

保存性を高めることで長期の船輸送での輸出に耐えられるようにしたということですね。

3大フォーティファイドワイン

  1. シェリー(スペイン)
  2. ポートワイン(ポルトガル)
  3. マデイラ(ポルトガル)

甘口から辛口まで幅広く、食前酒や食後酒としても利用されます。

4.フレーバードワイン|サングリアなど

スティルワインに果物や香草を漬け込んで香りをつけたワインをフレーバードワインと呼びます。

お酒が苦手な人でも飲みやすいのが特徴ですね。

代表的なフレーバードワイン

  • サングリア
    りんごやオレンジ、レモンを漬け込んでフルーツの甘みを味わえるワインです。添加物などを使わないオーガニックサングリアも人気があります。
  • ヴェルモット
    白ワインにニガヨモギなどの香草を配合して作られます。カクテルのマンハッタンに使われるスイート・ベルモット(甘口)や、マティーニに使われるドライ・ベルモット(辛口)があります。

特にサングリアは暑い季節に冷やして氷を入れて飲むと美味しいですね!

数え切れない程あるワインを楽しもう

現代ではワインは世界中で作られ、同じ品種でも産地やランクで味が非常に異なります。

まずは新世界産の単一ワインでも飲んで、少しずつ味の違いに慣れていきましょう!

タイトルとURLをコピーしました