「ワインは取り敢えず3,000円くらいするやつ買えばいいんでしょ?」
などと言ってテキトーに選んでしまってはいないでしょうか。
実はそれは非常にもったいないことで、少しの基本的な知識があるだけでもっとコスパの良いワインを選んだり、気分に合わせて選ぶことができます。
こちらの記事ではワインの基本的な種類について紹介していますので参考にしていただければ幸いです。

パティシエとして製菓店やカフェのマネージャーを経験。レストランサービスを学ぶため、関西のホテルレストランを中心に約10年以上勤務。ワインに興味がありソムリエ呼称資格を取得。
保有資格
・日本ソムリエ協会 ソムリエ呼称資格
・調理師免許
ワインは大きく分けると4種類に分類される
お馴染みのワインはスティルワインの1種ですが、大きく分けると4種類に分けられます。
- スティルワイン
- スパークリングワイン
- フォーティファイドワイン
- フレーバードワイン
一つずつ詳しく紹介します。
1.スティルワイン|いわゆるワイン
おなじみの一般的な赤ワインや白ワインはスティルワインに分類されます。
スティルは「静かな」という意味で、スパークリングワインのように発泡しないという理由で名付けられています。
- 赤ワイン
ぶどうの果皮に含まれるアントシアニンという色素成分の影響で液体が赤くなる
- 白ワイン
果汁のみで作られるため、色素が付かない - ロゼワイン
赤ワインと同じように作ったり、黒ぶどうと白ぶどうを混ぜて作ったりするためピンク色になる
スティルワインの色の違いは作る工程で変わるということですね。
一般的にアルコール度数は9〜15度くらいで、甘口の白ワインなど糖度の高いワインはアルコール度数が下がります。
2.スパークリングワイン|シャンパンなど
シャンパンなどの発泡性のワインをスパークリングワインと呼びます。
ちなみにシャンパンはフランスのシャンパーニュ地方で作られたスパークリングワインですね。
- フランス
シャンパン・クレマン - スペイン
カバ・エスプモーソ - イタリア
スプマンテ - ドイツ
ゼクト - オーストラリア
スパークリング・シラーズ - スロヴェニア
ペニーナ
著者はお祝い事といえばシャンパン、普段気軽に飲みたいときはカバを選択します。
フランスのモエ・エ・シャンドン社のドン・ペリニヨンも日本では有名なシャンパンですね。
3.フォーティファイドワイン|シェリー酒など
ワインの保存性を高めるために、アルコール発酵前や途中でブランデーなどのアルコール度数の高いお酒を混ぜて作られるワインをフォーティファイドワインと呼びます。
保存性を高めることで長期の船輸送での輸出に耐えられるようにしたということですね。
- シェリー(スペイン)
- ポートワイン(ポルトガル)
- マデイラワイン(ポルトガル)
日本人にとって馴染みが薄いですが、甘口から辛口まで幅広く、食前酒や食後酒としても利用されます。
4.フレーバードワイン|サングリアなど
スティルワインに果物や香草を漬け込んで香りをつけたワインをフレーバードワインと呼びます。
お酒が苦手な人でも飲みやすいのが特徴ですね。
- サングリア
りんごやオレンジ、レモンを漬け込んでフルーツの甘みを味わえるワインです。添加物などを使わないオーガニックサングリアも人気があります。 - ヴェルモット
白ワインにニガヨモギなどの香草を配合して作られます。カクテルのマンハッタンに使われるスイート・ベルモット(甘口)や、マティーニに使われるドライ・ベルモット(辛口)があります。
特にサングリアは暑い季節に冷やして氷を入れて飲むと美味しいですね!
さらに細かく「産地、品種、ランク」で特徴が違う
ご存知の通りワインは産地や品種で味も名前も、ランクも変わります。
ワインを知る上で基本となる部分を紹介しますので、是非ワイン選びに役立ててください。
ワインの産地には旧世界と新世界がある
フランスワインを学ぼうとするとフランス国内の各地方の特徴を覚えなければなりません。
村名まで細かく覚えるのは大変なので、まずは旧世界と新世界について知りましょう。
- フランス
- イタリア
- ドイツ
- スペイン
- ポルトガル
- オーストリア
- ハンガリー など
- アメリカ
- チリ
- ニュージーランド
- オーストラリア
- アルゼンチン
- 南アフリカ
- 日本 など
旧世界のワイン
旧世界の国は古くからワインの歴史があり、老舗ブランドや何十年もののヴィンテージワインなど「格式高い・とっつきにくい」といったイメージが強いです。
ワインの味もどちらかというとちょっと難しく、いろんな品種を混ぜて作るブレンドワインが主流です。
ワインの品種による味の違いについて詳しくないと初心者のうちはあまり楽しめないかもしれません。
しかしもちろん味の違いがわかってくると、旧世界の美味しいワインは他では変えがたい感動がありますね。
新世界のワイン
初心者の人にまずオススメするのは新世界のワインです。
新世界のワインは単一品種で作られているものが多く、さらに安価で流通しているため手頃に買えて味の違いがわかりやすいです。
旧世界のワインだと安くても3,000円は出さないと美味しいものに出会いにくいですが、新世界のワインなら1,000円台でも十分美味しいワインがあります。
チリ産のコノスルのシリーズなどはかなり流通していますよね。
新世界の単一の味に慣れてきてから旧世界のブレンドワイン試すことをオススメします。
赤も白もロゼも定番の品種の特徴から知ろう
ワインの品種は細かく見ると非常に多いです、なのでまずは定番の品種を順に試してみましょう。
太字で表記している品種は定番の中の定番ですので、必ず味の違いをチェックしておきたいところですね!
- カベルネ・ソーヴィニヨン
ワインの帝王とも言える世界中で愛される品種です。
- ピノ・ノワール
偉大なロマネ・コンティも作ってしまうほど高貴な品種です。
- メルロー
まろやかでまるみのある味です。
- シラー
スパイシーで重厚です、オーストラリア産はシラーズ。
- その他の定番の品種
カベルネ・フラン、ガメイ、ピノ・ムニエ、グルナッシュ、カリニャン、サンジョベーゼ、ネッビオーロ、マルベック、マスカット・ベーリーA、ジンファンデル、カルメネール、サンソー、ピノタージュ、テンプラニーリョ など
赤ワインのド定番といえばまずはカベルネ・ソーヴィニヨンで、ここを中心に考えます。
カベルネ・ソーヴィニヨンに対してピノ・ノワールは少し軽め、メルローやシラーは少し重厚といった味になります。
- シャルドネ
白ワインの定番でありながらシャンパンなど様々なワインに使用されます。 - リースリング
フルーティでさわやか、甘口なワインです。 - ソーヴィニヨン・ブラン
ハーブや青草の香りでさっぱり爽快な白ワインに使われます。 - その他の定番の品種
ヴィオニエ、ルーサンヌ、マルサンタ、ピノ・グリ、ゲヴュルツトラミネール、ミュスカデ、シュナン・ブラン、モスカート、ミュラー・トゥルガウ、シルヴァーナ、トロンテス、甲州、セミヨン
白の1番の定番はシャルドネです。ブルゴーニュのシャブリなど、辛口の味を基本とします。
リースリングはもう少しフルーティで甘口、もっとスッキリ爽快に飲むならソーヴィニヨン・ブランといったイメージです。
- ロゼ・ダンジュ
フランスロワール地方アンジュー地区ロゼ・ダンジュ村のロゼ - タヴェル・ロゼ
フランス南ローヌ地方のタヴェル地区のロゼ - プロヴァンス地方のロゼ
プロヴァンス地方はフランス最大のロゼ産地で、生産の90%がロゼワイン
ロゼワインは料理を選ばないくらい癖が少ないのが特徴で、多くのシーンで飲むことができます。
赤にしようか白にしようか悩むときはロゼという洗濯も良いですね。
格付けは産地によって様々
ワインにはそれぞれの産地によって階級が付けられています。
主な階級制度はフランスのAOCですね。
AOCとはAppellation d’Origine Contrôlée(アペラシオン ドリジーヌ コントロレ)の略で、フランス発音で「アオセ」といいます。
特定の条件を満たしたものにのみ付けられる品質保証ですね。
d’Origineの部分に生産地が入り、ワインの場合は産地が小さい単位になるほど高級品として扱われます。
ボルドー(地方名)、メドック(地区名)、マルゴー(村名)の3つなら、マルゴーが高級品ということですね。
例:Appellation Margaux Contrôlée
ラベルに表記されますので確認してみてください、他の産地にも格付けがあります。
- DOP(Denominazione di Origine Protetta)
イタリアワインで産地保証されるものにはこのDOPの表記が入ります。
- 最高級品はDO de Pago(Denominacion de Origen de Pago)
- 高級品はDOCa(Denominacion de Origen Calificada)
- 上質ワインはDO(Denominación de Origen)
- カントリーワインはVdlT(Vinos de la Tierra)
スペインワインの品質保証名はそれぞれラベルに記載されます。
- トレッケンベーレンアウスレーゼ
- アイスヴァイン
- ベーレンアウスレーゼ
- アウスレーゼ
- シュペートレーゼ
- カビネット
- クーベーアー
- ラントヴァイン
- ターフェルヴァイン
ドイツの白ワインは高級品ほど甘くなりますね。
ワインショップで格付けを思い出すのは難しいですが、通販サイトなどで格付けを見ながら買い物をするのは価格帯の感覚も身につくのでオススメです。
数え切れない程あるワインを楽しもう
現代ではワインは世界中で作られ、同じ品種でも産地やランクで味が非常に異なります。
まずは新世界産の単一ワインでも飲んで、少しずつ味の違いに慣れていきましょう!