- 原産地はスペインだが、ほぼアルゼンチンのみで栽培されている
- オーストラリアのヴィクトリアに世界最古のマルサンヌ畑
- 同じローヌのルーサンヌとブレンドされることが多い
- 外観-緑がかった淡いイエロー
- 香り-マスカットや柑橘系、華やかでエキゾチックな香り
- 味わい-フレッシュな酸味とフルーティでジューシーな味わい
- 中華やエスニックなどのスパイスやハーブの効いた料理と相性が良い
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アルゼンチンを代表する、香り高い白ブドウ、トロンテス。
スペインが原産ですが、もっぱらアルゼンチンのみで栽培されている品種です。
マスカットを片親に持つブドウならではの親しみやすい華やかな香りで、ここ日本でも人気のブドウになってきました。
その華やかな香り立ちと、果実味あふれるボディ、後口爽やかな酸味から、中華料理やエスニック料理などにおすすめされることが多いブドウ。
様々な料理とのマリアージュの可能性がある、これから楽しみな白ブドウです。
トロンテスのおすすめワイン3選
フレッシュなスパークリング「ミッシェル・トリノ スパークリング・ブリュット」
アルゼンチン北部のカルチャキ・ヴァレー産トロンテスを中心に、シャルドネやマルベックをブレンドしたスパークリングワイン。
トロンテスのフレッシュで華やかな香りがよく引き出されており、ブレンドされたシャルドネとマルベックはその香りを損なわずに飲み応えのあるボディを形作っています。
スパークリングワインは、原料の香りを中心に組み立てるものと、シャンパーニュのように醸造・熟成・ブレンドなど職人の作りこみによる味が中心になるものとありますが、これは前者の上手な例。
とても楽しく、皆で飲むことが出来ます。
スパークリングワインにご興味のある方は以下の記事も参考にしてください。
派手さよりも清楚さが感じられる「カテナ アラモス トロンテス」
品種 | トロンテス |
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産地 | アルゼンチン サルタ州 |
価格帯 | 2,000円台前半 |
アルゼンチン北部、標高が高くトロンテスに適するサルタ州で栽培されたもの。
トロンテスの華やかな香りには抑揚がつき、派手さよりも清楚さが感じられる仕上がりになっています。
桃やパイナップルやジャスミンの香りの中に、柑橘の皮やハーブの清涼感が入り込み、爽やかで上品な味わい。
前菜のサラダやカルパッチョなどと楽しみたいワインです。
貴腐ブドウから作られた甘口の「ドン・ダビ トロンテス レイト・ハーヴェスト」
品種 | トロンテス |
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産地 | アルゼンチン サルタ州 |
価格帯 | 1,500円〜2,000円 |
あまり日本では見かけない甘口のトロンテス。
貴腐ブドウから作られていて、トロンテス本来の芳香性の高さに加えて、ねっとりとコクのある甘い香りが感じられます。
上質なハチミツのような甘さとコク。
お食事なら西京焼きや伊勢えびのグラタン、または順当にデザートと一緒に楽しみたいトロンテスです。
トロンテスの特徴、外観、香り、味わい

画像:Wikipedia
原産地はスペインですが、栽培は現在はほぼアルゼンチンのみです。
特に標高の高い北部のサルタ州で多く栽培されています。
トロンテスというブドウ品種の中にはいくつかのタイプがあり、一般にそれら全てをひっくるめて「トロンテス」という名前で呼んでいます。
トロンテスの亜種は大きく3つに分けることができ、以下の3種類があります。
- トロンテス・リオハーノ
- トロンテス・サンファニーノ
- トロンテス・メンドシーノ
中でも最も有名で香りも力強いものがトロンテス・リオハーノになります。
トロンテス・リオハーノはマスカット・オブ・アレキサンドリアとクリオージャ・チカ(=チリではパイス、アメリカではミッションと呼ばれているブドウ。北部アルゼンチンの地域名を取ってラ・リオハとも呼ばれています。)の自然交配で生まれた品種。
マスカットと名の付くブドウの中でも、マスカット・オブ・アレキサンドリアやマスカット・ブラン・ア・プティ・グランのワインからは、生食のマスカットやオレンジを連想させる心地よい香りが漂います。
もぎたてのブドウを連想させるジューシーな香り高さは、片親のマスカット・オブ・アレクサンドリアゆずりです。
その他のトロンテス亜種、トロンテス・サンファニーノや、トロンテス・メンドシーノよりも広く栽培されており、香りも強い人気のトロンテスになります。
標高も高いアルゼンチン北部のサルタ州では、昼夜の寒暖差によってしっかりと酸味が残るブドウが収穫できるため、高品質なトロンテスが作られています。
爽やかな酸味を活かして、辛口に仕上げられることが大半です。
メンドシーノ州やサン・ファン州などでは甘口に仕立てられることもあるようです。
外観
緑がかった淡いイエロー
透明に近いものもあるが、とろっとしていて粘性がある。
華やかで爽やかな香り

華やかなマスカットのような香り。
アロマティック系品種の代表格、ゲヴュルツトラミネールにも匹敵する香り立ちの華やかさがあり、白桃やパイナップル、オレンジの花、ジャスミン、ユリなどの香りがあります。
明るく酸味を連想させるようなオレンジ、ライムの皮などのニュアンスや、紅茶の茶葉のようなフレーバーを感じることも。
標高の高いエリアで栽培されているものから、このような柑橘やハーブの香りを感じることが多く、ともすれば強すぎる香りの中に爽やかな隙間を開けてくれます。
フルーティでジューシーな味わい
プチプチとフレッシュな酸味が、ふくよかな果実味を支えます。
アタックから中盤までは果実の膨らみを感じ、フルーティでジューシーな味わい。
口に含んでからの中盤から後半にかけては、爽やかな酸味と相まって、後口さっぱりとした辛口の印象を受けます。
明るくあっけらかんとしたフルーティーさと、後口を支える綺麗な酸味の組合せが南米らしい味わいに。
トロンテスのワインは、その香りの良さを活かすために、ステンレスタンクでシンプルかつフレッシュに仕上げたものが多いので、存分に品種の特長を楽しむことが出来ます。
シノニム
- トロンテス・リオハーノ
- トロンテス・サンファニーノ
- トロンテス・メンドシーノ
トロンテスの主な栽培地は原産国のアルゼンチン

前述の通り、トロンテスはアルゼンチン原産の白ブドウです。
そのインパクトのある香り立ちと、ほかの国ではほぼ栽培されていないユニークさから、アルゼンチンを代表する白ブドウとして全面的にプッシュされています。
特定の品種やテロワールに特化したワイナリーを除けば、トロンテスからワインを作っていないアルゼンチン・ワイナリーはほとんど存在しないくらいです。
アルゼンチンは全体的に標高の高いワイン産地ですが、トロンテスはその中でも特に標高の高いエリアで栽培されます。
中には標高3,000mに達するような畑もあり、世界でも最も高い場所にあるブドウ畑のひとつとして知られています。
標高の高いエリアで上手に栽培されたトロンテスからは、昼夜の寒暖差からくる酸味がワインの味わいにも反映され、ともすればくどくもなってしまう派手な香りの中にも清涼感を感じることが出来ます。
主に白の辛口になりますが、スパークリングワインの原料としても活躍しています。
また、甘口ワインに仕上げられたりすることもあります。
トロンテスに合う料理
フローラルな香りとスパイシーなニュアンスのあるトロンテスには、中華料理やエスニック料理、スパイスやハーブの効いた料理がおすすめです。

- 鶏肉カシューナッツ炒め
- ラムチョップ
- ギョウザ
- エビチリ
- 鯛の香草焼き
- 鮎の塩焼き
- チリコンカン
- パクチーサラダ
- パルミジャーノ
- コンテ
- マンステール
まとめ
アルゼンチンの白ブドウを代表するトロンテス。
ゲヴュルツトラミネールと同じくらいのインパクトがある香り立ちですが、やや重めな味わいになりがちなゲヴュルツトラミネールと比べると、トロンテスは爽やかな仕上がり。
アルゼンチンのカラッと乾燥した気候を映し出したかのようです。
大手ワイナリーの1,000円を切るような廉価版トロンテスも数多く出回っているので、初めてトロンテスを試すならば2,000円前後の良いものをチョイスしてみてください。
一度口にすると忘れられない魅力を持つ品種だということが、良く分かってもらえると思います。