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ふたつの顔を持つ品種、シラー|特徴とおすすめワイン

シラーの図解

美しさと力強さ。
ふたつの相反する要素を持つブドウ品種がシラーです。

一方はエルミタージュやコート・ロティ、一方にはバロッサ・ヴァレーのシラーズ。
両極端なこの2タイプの狭間を埋めるように、様々なタイプのシラーが存在しています。

北ローヌで見られるような美しく華やかなスタイルは、世界のシラー栽培地の中ではマイナーな存在。
そのため、往々にして見過ごされがちです。
しかしながら、近年は、ある意味このピノ・ノワールのような華やかな側面を取り入れたワインも増えてきたように思います。

育った環境、醸造方法で様々な表情を見せてくれる、奥深い品種です。

シラーの特徴

シラーの写真

参照:Wikipedia

原産地はフランスのローヌ地方
ローマ時代から知られ、栽培されてきたブドウです。
比較的様々な環境で育てることが出来、フランスのローヌ地方から地中海沿い、アメリカ大陸オーストラリア南アフリカなど世界中で栽培されています。

前述したように、環境によって全く違う品種のように表情を変えることができます。

冷涼な気候では、引き締まったスレンダーなボディと、イチゴ、コショウ、花のような香り。
温暖な気候では、ブラックベリーや場合によってはカシスジャム、なめし皮の香りにたっぷりとボリュームのある味わいと渋みが感じられます。

また、単体でもブレンドでもワインになり、使い勝手の良い品種でもあります。
南ローヌから地中海沿岸部にかけては、グルナッシュやムールヴェードルとブレンドされ、ワインに骨格を与えます。
ヨーロッパ以外ではカベルネ・ソーヴィニヨンとブレンドされることもあり、いずれも力強いフルボディの味わいが魅力です。

香り

涼しいエリアではコショウやミントのアクセントがあり、イチゴ、さくらんぼのような甘酸っぱい果実の香りが感じられます。
仄かにカカオや毛皮の香りも。

温暖なエリアでは香りも強く大きくなり、ブラックベリーやカシスのような肉厚な果実の香りに、なめし皮、コショウ、クローヴ、ゴムの香りなどが感じられます。

シラーの持つ特徴の一つにコショウの香りがあります。
これは、ロタンドンという成分によるものであることが分かっており、オレガノやローズマリーにも含まれているようです。

涼しい気候で栽培されると、この黒コショウの香りが強く感じられるワインになり、清涼感のある味わいが楽しめます。

味わい

シラーは育った環境により異なる味わいを見せます。
温かい地域や暖かいヴィンテージでは、渋みも酸味もしっかりしたパワフルな味に。
反対に涼しい地域や涼しいヴィンテージでは、ピノ・ノワールのような透明感のある味わいになります。

どちらのタイプでも、シラーは筋肉質で引き締まった構造を持ちます。
甘さを感じるほどのたっぷりした果実味でも、注意して飲んでいると、口の中をぎゅっと掴まれるような集中力を感じます。

豊富だが細かく粒子を感じる渋みと、味わい全体を引き締めるような酸味が特徴です。

シラーの主な栽培地

フランス

フランスのイラスト

シラーといえばローヌ地方
大きく北部と南部に分かれ、シラーの使われ方も変わります。

北部ローヌではシラーは基本的に単一でワインにされます。
場合によってはヴィオニエを少量ブレンドしますが、これはシラーの良さを活かすための補助的なブレンド。

豊かな果実味を覆い隠すほどのがっしりした酸味・渋みの武骨なA.O.C.コート・ロティ、継ぎ目が無く滑らかな舌触りとスケールの大きいA.O.C.エルミタージュは、ローヌ地方が誇る世界最高のシラーを生み出すエリアです。

北部ローヌはしっかりと引き締まった贅肉のないスタイルで、ヴィンテージによってはピノ・ノワールのような華やかさを持つ地域です。

また、A.O.C.エルミタージュの北側に広がるA.O.C.クローズ・エルミタージュは涼しい黒コショウの香りがしっかりと感じられ、お買い得のシラーが多くあります。
エルミタージュのような圧倒的なワインではありませんが、シラーの軽やかで華やかな側面を感じることが出来ます。

南ローヌではブレンドでワインを作ります。
そのため、シラーも数あるブレンド品種の一つ。
グルナッシュやムールヴェードルなどと一緒にワインの一要素を形作ります。

丸みがある地中海的穏やかさのワインの中に、だれない芯のようなものを作ってくれるのがシラーだと思います。

もう一つ、地中海に面するラングドック地方でもシラーは実力を発揮します。
ラングドックのグラン・クリュにあたるA.O.C.クリュ・デュ・ラングドックでは、大半のワインにシラーが用いられます。
南ローヌ同様のパワフルで厚みのある味わいに、艶やかな質感や味の伸びが感じられます。

オーストラリア

オーストラリアの画像

シラーのもう一つの顔が見れるのがオーストラリア
特にバロッサ・ヴァレーのシラーズは、力強くたっぷりとした味わい、ビターチョコのような濃く詰まったスタイルで有名です。
暑く乾燥した谷間が生み出したスタイルは、フランスの「シラー」と余りに異なるため、独自に「シラーズ」と呼ばれるほど。

最近は軽やかなスタイルが流行ということもあり、涼しい地域で「シラー」のように育てられたワインが増えていますが、どっしりとした「シラーズ」もまた、魅力的です。

ヴィクトリア州の涼しいエリアで栽培されたものなどは、フランス同様に明るい酸とブラックペッパーの清涼感あふれる香りがあります。

アメリカ

アメリカのイラスト

その他、アメリカのワシントン州でや南アフリカの山麓斜面など豊かなボディとそれを支える骨格を持つシラーが生まれています。
シラーの華やかな側面を引き出すの近年の流行を反映して、より涼しく適度な水分もあるエリアでの栽培が増加しているように感じられます。

シラーに合う料理

肉類

肉類のイラスト

  • ステーキ
  • 鹿肉のロースト
  • 鴨肉のロースト(オレンジソース)
魚介類

魚のイラスト

  • ごぼうのたたき
  • キノコグラタン
野菜類

野菜のイラスト

  • マグロのステーキ
  • かつおのたたき
チーズ

チーズのイラスト

  • シェーブルタイプ
  • 辛口のブルーチーズなど

おすすめのワイン

ドメーヌ・デ・リゼ A.O.C.クローズ・エルミタージュ

透明感があり明るくしなやかな北ローヌのシラー。
ブラックペッパーの香りを嫌味なほど強調するクローズ・エルミタージュも多い中、北ローヌの華やかさや品のよさ、それを支える引き締まったボディがしっかりと楽しめます。

シャトー・ド・モンフォーコン A.O.C.リラック

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南ローヌのブレンドスタイルです。
グルナッシュの果実味や厚い味わいを中心に、シラーがジューシーな酸味や渋みの骨格を与えます。

ラングメイル ヴァレーフロア シラーズ G.I.バロッサ・ヴァレー

オーストラリアのバロッサ・ヴァレーを代表するシラーズ。
老舗が持つ樹齢の高いブドウから、どっしりと熟れてこなれた味わいが生まれます。
フランスのシラーとはまた異なる、独特の完熟感と複雑味のあるワイン。

まとめ

シラーから生まれるワインは余りに多彩なため、同じ品種とは思えないくらいです。
一般的にニューワールドではどっしり完熟したスタイルのシラーに適していますが、最近のエレガント系ワインの流行で、華やかなスタイルも増加しています。
シラーのふたつの顔をバランスよく楽しめるようになってきました。
是非、色々なシラーを試してみてください。