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最もホットな南アフリカワインの特徴とおすすめワイン3選

南アフリカのイラスト

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ニュー・ワールドと括られはするものの、長いワイン作りの歴史を持つ南アフリカ。
17世紀にワイン用のブドウ栽培が始まり、ヴァン・ド・コンスタンスという甘口ワインはナポレオン初め当時の著名人が愛飲したとか。

アパルトヘイトや、ワイン生産が巨大な協同組合に一任されていた時代を終え、一気にそのポテンシャルが開花したかの感があります。

大手が作る安定した味わいのラインナップも、クラフト的な小規模生産者のワインも、どちらもから素晴らしい品質のものが生まれており、特にイギリスのジャーナリストらから殆ど手放しといっても良いほどの賞賛を受けています。

現在は、南アフリカの実力を知らしめた勢いはそのままに、より多様性が加わり深みが増してきたように思います。

ワインの世界で最もホットな産地の一つ、南アフリカを紹介します。

南アフリカの主なワイン生産地

南アフリカ共和国のワイン産地は、南部のケープタウンを中心に広がっています。
この付近の海を寒流のベンゲラ海流が流れ、エリアによっては冷涼な気候を受け、ブルゴーニュ品種の栽培も盛ん。

また、この海風を運んでくれる涼しく乾燥した風「ケープ・ドクター」のおかげで病害も抑えられているといいます。

内陸部は暑く乾燥した平野や、内陸の山あいまで産地が続き、様々なスタイルのワインが作られています。

そして、ブドウが栽培されているエリアの殆どは、ユネスコ世界遺産に認定されている「ケープ植物区保護地域群」内にあり、環境保全や生物多様性に産地全体で取り組んでいるのです。

コースタル・リージョン

南アフリカワイン発祥の地「ケープ・ペニンシュラ」

ヤンファン・リーベックがブドウを植え、南アフリカワイン発祥の地となった場所が、ケープ・ペニンシュラのエリアです。

18世紀には、ここで作られた偉大な甘口ワイン、ヴァン・ド・コンスタンスがヨーロッパで人気を博したという記録が残っていますが、現在はクレイン・コンスタンシアがこれを復活させて当時の味わいを再現しています。

ワイン作りの中心地「ステレンボッシュ」

歴史的に重要なケープタウン近郊と並び、実際的にも重要なのが、ステレンボッシュの町から広がる同名ステレンボッシュのエリア。

独自の品種ピノタージュを生み出し、優秀なワインメーカーを育て上げるステレンボッシュ大学があり、ワイン作りの中心地とでも言うべき様相を呈しています。

特にボルドー系品種やシラーを得意としますが、シャルドネピノ・ノワール、ピノタージュからも良いものが作られています。

骨格のしっかりしたワインの多い「シモンズバーグ」

シモンズバーグという山の南側斜面では、クラシカルなボルドー・スタイルのカベルネ・ソーヴィニヨンが作られています。
(南半球の産地なので、南側斜面の方が涼しい傾向にあります)

また、小地区のBottelaryではピノタージュが注目されているようです。

その北隣にあるパールには、かつて南アフリカのワイン生産を一手に担っていたKWVが本拠を構えます。
地中海性気候で、ステレンボッシュと共有しているシモンズバーグの斜面からは、シャルドネシラーから、骨格のしっかりしたワインが生まれます。

小規模メーカーの多い「スワートランド」

場所を変え、大西洋側の広い地域を占めているスワートランドでは、若手の小規模なワインメーカー達が次々と勢いのあるワインを送り出す、活きの良い地域。

実際にワイナリーがあるのはスワートランド内でも南東の山に囲まれた場所と、北のBerg川沿いに集中しています。

ここにはシュナン・ブラン(伝統的にはスティーンと呼ばれます)の古木も多く、低収量の凝縮した力強い味わいが特徴。

若手のワインメーカーがスワートランド・インディペンデント・プロデューサーズというグループを結成、一致団結してその名を広めたこともあり、作り手同士の横のつながりが強く、ぐんぐんとクオリティを挙げてきています。

スワートランドの海沿いエリアに、一箇所だけ山脈が走っている場所があります。
そのお陰で、ここではユニークな気候が生まれ、ダーリンという名前で独立、高品質なソーヴィニヨン・ブランで有名になっています。

その他、キャップ・クラシックと呼ばれる瓶内二次醗酵の高質スパークリングワインで有名なフランシュック・ヴァレーや、南アの苗木の殆どを生産しているウェリントンなどがあります。

冷涼地域「ケープ・サウス・コースト」

南アフリカの南側沿岸部、ホエールウォッチングで有名なハーマナス近辺を中心とした産地。

ワイン界で流行のクール・クライメット(冷涼地域)にあたり、ブルゴーニュ系品種を武器に高い評価を得ています。

高品質ワインの多い「ウォーカー・ベイ」

有名なウォーカー・ベイは、湾に沿った涼しいエリア。
ピノ・ノワールシャルドネソーヴィニヨン・ブランから輪郭がピシッと定まった美しいスタイルのものができています。
特にその中にあるヘメル・エン・アーデ、やや斜面を上がったアッパー・ヘメル・エン・アーデは高品質なワインを生むとして名が知られています。

果実感の強い「エルギン」

ヘメル・エン・アーデから北へ行き、小高い盆地になっているエリアがエルギン。
川を通じて涼しい海の空気の影響を受ける冷涼地域で、リンゴ栽培が中心だった場所です。

果実の詰まったピノ・ノワールや、シャルドネリースリングソーヴィニヨン・ブランなどから良いワインが生まれています。
ウォーカー・ベイと並び、注目の産地。

カチッとした輪郭の「ケープ・アギュラス」

ハーマナスの湾から南へ下ったケープ・アギュラスは南ア最南端のワイン産地。
カチッとした味わいの輪郭があり、エリム小地区のソーヴィニヨン・ブランが有名です。

白ワインが良い「ブレード・リヴァー・ヴァレー」

ブレード川沿いに広がるワイン産地で、乾燥した暑い気候を持ちます。
ブレードクルーフやウスターなどのエリアは特にブランデー用の白ワイン栽培が盛んですが、注目すべきはロバートソン・エリア。
粘土や石灰分を含む土壌があり、これと相性のよいシャルドネから堂々とした白ワインが作られています。
どっしりとしたソーヴィニヨン・ブランや、これらを使った瓶内二次スパークリングワイン「キャップ・クラシック」でも高い評価を得ている場所。

その他、カベルネ・ソーヴィニヨンピノタージュも出来がよく、しっかりと熟した味わいの中にも、ダレないタイトなアクセントがあり、フランス系品種らしい上品さが表現されています。

乾燥地域「クレイン・カルー」

海沿いのケープ・サウス・コーストに折り重なるように内陸部にある産地がクレイン・カルー。
非常に乾燥した地域で、マスカットの甘口ワインから、ソーヴィニヨン・ブランピノ・ノワールも作られています。

標高の高い温暖な地域「オリファンツ・リヴァー」

オリファンツ・リヴァーは、スワートランドより北の、オリファンツ川沿いに広がる温暖な地域。
主な栽培は大西洋に近い冷涼な北部や、内陸部の標高が高い場所で行われています。
シュナン・ブランシラーピノタージュの栽培が盛ん。

南アフリカの主なブドウ品種

南アフリカでは様々な品種が栽培されており、ブレンドも含めて生み出されるワインは多様。
その中でも国を代表する品種としてシュナン・ブランピノタージュを挙げることができます。

主力品種「シュナン・ブラン」

シュナン・ブランは南アで伝統的にスティーンと呼ばれ、広い地域で栽培されています。
何でも世界最大の栽培面積だとか。

例えば、フランスロワール地域でもそうですが、シュナン・ブランという品種は甘口から辛口、さらっとしたものからパワフルなものまで、スパークリングもスティルワインも作れるかなり万能の面白いブドウです。

暑くても酸味を高く保てる品種でもあり、南アの分厚く詰まった果実味や香りのボリュームと爽やかさや切れのよさが綺麗に釣り合いをとることができ、非常に質の良いワインをいくつも生み出しています。

Mr.シュナン・ブランの異名を持つケン・フォレスターが、南アフリカ最高峰のシュナン・ブランを作っていますので、見かけたら是非試してみてください。

2面性を感じられる「ピノタージュ」

ピノタージュは南アフリカのステレンボッシュ大学で人工的に交配させて出来た黒ブドウで、ピノ・ノワールサンソー(別名ハーミタージュ)が親。

ピノのエレガントな香り立ちとサンソーの野性味あふれるボディを併せ持ち、作り手によって大きく異なるスタイルのワインになります。

例えばカノンコップが作るピノタージュは、とても綺麗なボルドースタイルのフルボディ。
一方でディビット&ナディアのような若手ワイナリーは勢いのあるピノ・ノワールといった風なフレッシュで華やかなスタイルに仕上げることが多く思います。

2面性のある面白いブドウ品種です。

その他のブドウ品種

ボルドー系品種、カベルネ・ソーヴィニヨンメルローカベルネ・フランはステレンボッシュ近郊で特に成功しています。

濃く、しっかりと果実味が詰まった味わいになりますが、海風の影響を強く受ける場所や、寒暖差のある山の斜面などで作られたものはタイトな構造を持ち合わせ、古典的なボルドーワインに匹敵する美しさを持ちます。

シラーグルナッシュのようなローヌ系品種は、スワートランドを中心に、より冷涼なエリアにも進出しています。
パワフル&スパイシーなものから、北ローヌやピノを思わせるようなフレッシュで香り高いものも作られており、とても面白い環境。

近年注目のクール・クライメットで成功しているのがブルゴーニュ系品種のピノ・ノワールシャルドネ
密に詰まった味わいと、ゆるやかに流れていく口当たり、それでも味がだれることがないタンニンと酸によるしっかりとした構造。

日照量豊富な南半球の海沿いという利点を活かし、香り立ちも華やかなものが多く、抑制の効いたスタイルで非常に高く評価されています。

同様の涼しいエリアではソーヴィニヨン・ブランも成功しており、フレッシュさと岩塩のようなエッジの効いた表情が特徴。

格付けは無く原産地呼称を使用

南アフリカの原産地呼称はW.O.(Wine of Origin)と呼ばれ、生産エリアを規定するもの。
フランスのA.O.C.のようにピラミッド構造の上下関係はありません。
地域(Region)→地区(District)→小地区(Ward)という風に、同じ生産エリア内にも気候条件などで細かく区分されている産地があり、ワインのスタイルなどを見るうえで参考になります。

【ソムリエが選ぶ】おすすめの南アフリカワイン3選

お手本のような1本「カノンコップ カデット ピノタージュ」

ステレンボッシュの名門、カノンコップはピノタージュの名手として名高いワイナリーです。
ボルドーワインを思わせるようなしっかりした骨格と背筋の伸びた味わいに、ピノタージュらしい華やかで明るい果実の雰囲気が活かされています。
ピノタージュのポテンシャルを形にした、お手本のようなワイン。

迫力の白ワイン「アルヘイト・ヴィンヤーズ カルトロジー」

南アフリカ白ワインの中でも最高峰に位置する、シュナン・ブラン中心の一本。
ウォーカー・ベイ地域のハーマナスに本拠地はあるようですが、各地から良い畑を探し出してワインにしているユニークな作り手です。
トロみを感じる程の厚いトロピカルな果実味と、それをしっかりと支えて締め上げる酸味や軽い渋み、岩塩のようなカチッとした質感。
ゴリゴリと力強い味わいが攻めてくる、迫力のワインです。

南アフリカのピノ・ノワールなら「アタラクシア ピノ・ノワール」

ウォーカー・ベイのヘメル・エン・アーデ・エリアを牽引するピノ・ノワールの名手、アタラクシア。
香り高いイチゴやカカオ、花束のような香りと、それを舌の上に繋ぎ止めるがっしりした構造。
同時に味わいには明るさがあり抜けが良く、フッと肩から力を抜いたようななだらかさは流石です。
南アフリカピノ・ノワールの名作。

まとめ

南アの実力は既に広く認められ、評論家は絶賛。
今やブルゴーニュからナパから様々な名産地からワインメーカー達が視察に訪れるような産地です。

大手の品質は高級帯からコスパの良いものまで安定しており、インディペンデントな作り手は次から次に新しく、面白いワインを提案してきます。

ワインのスタイルもクラシックなものから流行のオレンジワインまで様々。
必ず好みのものが見つかると思うので、どんどん試していってくださいね。