ポルトガルの片田舎の垢抜けないワイン・・・
それを一躍注目の的にしてしまったワイナリーがあります。
ポルトガル中が、いや世界が認める白ワインのプロフェッショナル、ソアリェイロ。
今回はその実力が手ごろに楽しめる「アロ」というワインをご紹介します。

パティシエとして製菓店やカフェのマネージャーを経験。レストランサービスを学ぶため、関西のホテルレストランを中心に約10年以上勤務。ワインに興味がありソムリエ呼称資格を取得。
保有資格
・日本ソムリエ協会 ソムリエ呼称資格
・調理師免許
深みのある「フレッシュ&フルーティ」
フレッシュで爽やかで、飲んでいてとても気持ちよい。
洋ナシやパイナップルの爽やかなフルーツ香と、ほんのりオレンジやミント。
かんきつ類を口に含んだときのような、酸味を感じるジューシーな飲み口で、ほんのりと岩塩のようなアクセントを感じます。
「フレッシュ&フルーティ」とは、飲みやすく安価な白ワインに良く使われる形容ですが、このアロはより深みのある「フレッシュ&フルーティ」。
そのあたりの安ワインとは全く別次元の味わいが楽しめます。
垢抜けないヴィーニョ・ヴェルデ・エリア
「ヴィーニョ・ヴェルデ」という名前を聞いたことはありますか?
日本語で「緑のワイン」です。
ポルトガルの最北端に位置する、緑豊かなエリアで作られるワインのことですね。
食文化が日本と似ていて、ワインも爽やかで飲みやすいので、最近は徐々に日本でも売っているのを見かけるようになりました。
本来「ヴィーニョ・ヴェルデ」は片田舎の垢抜けないワイン。
居酒屋コップで地元のおじさんたちががぶ飲みするような、水っぽいもので、ワインのプロからするととても評価できないようなものだったようです。
現在は作り手の世代交代などもあり、より洗練された上質なヴィーニョ・ヴェルデが次々と出来ています。
そのトップを走り続けるのが、今回のソアリェイロです。
アルヴァリーニョの力を引き出す
ソアリェイロが注力するのは、アルヴァリーニョという白ブドウ。
このブドウに関してはソアリェイロの右に出るものはいません。
きちんと栽培すると、パイナップルやマンダリンオレンジのような華やかでジューシーな味わいが出る、近年注目の品種です。
段々と人気が出てきて、今ではニュージーランドや日本でも栽培されるようになってきました。
ヴィーニョ・ヴェルデエリアのような海沿いで栽培すると、ジューシーな中にもほんの少しの塩苦味が感じられ、キリッとメリハリのついた美味しさになります。
ソアリェイロは、このアルヴァリーニョの特徴を上手く引き出すことで、世界トップクラスのワイナリーとして名を上げたのです。
ソアリェイロ アロのポイント
今回の「アロ」は、ソアリェイロの中ではエントリーレンジ。
最もお手軽にソアリェイロの魅力を楽しめます。
ポイントは、ソアリェイロの代名詞アルヴァリーニョに、ロウレイロというブドウがブレンドされているところ。
ロウレイロは非常に繊細で上品な味わいのブドウ品種。
同じ華やかなタイプでも、パワーのあるアルヴァリーニョと上手く溶け込み、口当たりの優しさを引き出しています。
時として主張が強いアルヴァリーニョを優しく抑え、食事の邪魔をしない使い勝手の良い味わいに。
このあたりの匙加減は、流石です。
この「アロ」で、ワンランク上のフレッシュ&フルーティを体感してみては?