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【ソムリエ評価レビュー】ポッジョ・レ・ヴォルピ プリミティーヴォ・ディ・マンドゥーリア

ポッジョ・レ・ヴォルピ プリミティーヴォ・ディ・マンドゥーリアの画像

コスパの良いワインは多々あれど、これほど万人に指示されるワインは中々ありません。

デイリーなワインを数多く生み出すイタリア。

その中でも、南イタリアは探せば掘り出し物と出会えます。

そんな南イタリアのワインブランドが、ポッジョ・レ・ヴォルピ。

普段ワインを飲まない人からプロのソムリエまで、ここのワインを飲んで美味しいといわなかった人はいない。

自信を持っておススメできるコスパの良いワインです。

香り・味の特徴

濃く輝きのあるルビーレッドの外観。

若々しく、しっかりと熟したブドウを思わせます。

しっかりと目の詰まった香り立ちで、プルーンやドライフルーツに、カカオやチョコレートの香り。

フルボディで飲み応えがあるにも関わらず、舌触りが滑らかなので非常に飲み心地が良いんです。

「たぷんっ」としてスムーズに口の中を流れていく。

この価格で「飲み応え」と「飲みやすさ」が両立しているワインはそうそうありません。

引っ掛かりが全く無く、かなり良く出来たワインだということが分かります。

わがままを叶える最高の赤

「渋いのはいやだけれど、ボリュームがある赤ワインってありますか?」

そういったリクエストはたくさん聞くのですが、それに応えられるワインは実はそんなに多くない。

ボリューム、飲み応えがある赤ワインは、総じて渋みも強い傾向にあるからです。

逆に渋くないものはそこまでボリュームがない軽いものだったり、純粋に安くてチープな味だったりします。

ポッジョ・レ・ヴォルピのプリミティーヴォは、濃いワイン好きにも喜ばれるしっかりフルボディ。

同時に、不快な渋みもほとんどない、たっぷりフルーティでもあります。

このワインが作られるプーリア州は、ブドウの完熟が保証された暑い土地。

口の中で引っかかる渋みは、ブドウが完熟するにつれて丸みを帯び、柔らかくなっていきます。

また、口をきゅっとすぼめる酸味は、ブドウの完熟につれて減っていく。

そういった、ひっかかりを作る要素が柔らかく馴染むまで完熟されたブドウで作っているから、こんなにスムーズに飲めるのです。

しかし一方で、渋みや酸味はワインの味を形作る大事な要素。

渋みが無さ過ぎると味が浮くし、酸味が無さ過ぎるとだらっとした平板なワインになってしまいます。

口に不快でなく、それでいてワインに必要な骨格は与える。

このさじ加減の上手さが、初心者だけでなくプロからも指示される理由です。

飲みやすい!でも通の人からは馬鹿にされる、そんなワインとは一線を画します。

全てが最高のコストパフォーマンス

実はこのワイナリー、千円台のお手ごろワインから四千円くらいの高級ワインまで、日本で手に入るだけでも10種類以上のワインを作っています。

そして、赤も白も全てが最高のコストパフォーマンスです。

「四千円でコスパっていわれてもなぁ・・・」と思うかもしれませんが、最高ランクのバッカロッサという赤ワインは、一本数十万するシャトー・マルゴーの最良ヴィンテージを思い起こさせる、とまで言われています。

さらに、白ワインも見逃せません。

ポッジョ・レ・ヴォルピはもともと、フラスカーティという白ワインの産地で始まったワイナリー。

フルーティな中にも、塩苦味やナッツ、セージの香りがあり、抑揚のついた良質のワインになっています。

これまで色々とポッジョ・レ・ヴォルピのワインを飲んできましたが、どれ一つとしてハズレがありません。

ワインバルに置いてあることも多いです。

まずはこのプリミティーヴォ・ディ・マンドゥーリアから、そして他の赤や白まで。

全種類コンプリートを目指して飲みすすめてみてはいかがでしょう!?