マルサンヌの特徴や魅力をソムリエが解説!マルサンヌおすすめワイン3選、ルーサンヌとの違いは?

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マルサンヌの図解 白ワインのぶどうの品種
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ローヌ系品種というとまず浮かぶのはシラーグルナッシュ
そして白ブドウで言えば、間違いなくヴィオニエです。

でも、ローヌ系品種はそれだけではありません。
品種レベルではヴィオニエの影に隠れてしまいがちですが、マルサンヌだって素晴らしいワインを作ります。

A.O.C.エルミタージュ・ブラン、A.O.C.クローズ・エルミタージュ・ブラン、A.O.C.サン・ジョセフ・ブランなど、もう一つの白ブドウ、ルーサンヌと力を合わせながら偉大な白ワインを生み出す品種です。

こちらの記事では、マルサンヌについて紹介します。

マルサンヌ – ひとことで!
  • 主な生産地はフランス・ローヌ地方
  • オーストラリアのヴィクトリアに世界最古のマルサンヌ畑
  • 同じローヌのルーサンヌとブレンドされることが多い
  • 外観-緑がかったレモンイエロー
  • 香り-カリンや黄桃など熟れた果実
  • 味わい-アルコールによる骨格がしっかりして、後味にナッツのようなほろ苦さ
  • ローストやバターソースを使った濃厚な料理と相性が良い

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ソムリエ厳選!マルサンヌのおすすめワイン3選

マルサンヌはブレンドされ、他のワインの補助として使われがちですが、ここではマルサンヌ100%(または95%)のワインを厳選しました。
簡単な解説も添えていますので、ぜひマルサンヌをご賞味あれ!

スタンダードな「ギガル サン・ジョセフ・ブラン」

品種マルサンヌ95%、ルーサンヌ5%
産地フランス
ローヌ地方
価格帯3,000〜6,000円

ドメーヌ・ギガルは、ローヌ渓谷北部を中心に、ローヌ全体におよそ60haもの自社畑を所有する、ローヌ渓谷北部を代表する生産者です。

A.O.C.サン・ジョセフの白ワインです。
ハチミツや白桃のニュアンス、口に含むとトロッと丸みを帯びた味わいが広がります。
「マルサンヌ」のお手本のような味わいです。

爽やかな味わいの「ドメーヌ・イヴ・キュイロン マルサンヌ・ヴァン・ド・フランス ヴィーニュ・ダ・コート」

品種マルサンヌ 100%
産地フランス
ローヌ地方
価格帯3,000〜4,000円

ローヌ地方の雄、イヴ・キュイロンによるマルサンヌ。
ビビッドでクリアな香りと味わいが特徴です。
カリンや黄桃、ハチミツの香りと、フルボディな味わいの中にもフレッシュな酸味、クリアで爽やかな印象が残ります。

世界最古のマルサンヌ畑「タービルク マルサンヌ」

品種マルサンヌ 100%
産地オーストラリア
価格帯2,000〜2,500円

オーストラリアはヴィクトリア州の生産者。
1927年からマルサンヌを栽培しており、これが現存する世界最古のマルサンヌ畑とされています。

ローヌ地方のものとは異なり、ライムやハチミツレモン、ジャスミンの爽快な香りと切れ味のある酸味が特徴。
若いうちはややさっぱり目ですが、瓶内で熟成させるうちにマーマレードのようなニュアンスが現れ、厚みと奥行きを持った複雑なワインになっていきます。

マルサンヌの特徴、外観、香り、味わい

マルサンヌの写真
画像:MARSANNE

マルサンヌはフランスローヌ地方で広く栽培されている品種です。
ルーサンヌという白ブドウとセットで栽培されることが多く、基本的にブレンドされてひとつの白ワインになります。

菩提樹やカモミール、洋ナシといった香りの華やかさを持つルーサンヌに対して、味わいに厚みを持たせるのがマルサンヌ、といわれています。

ローヌ地方北部のような乾燥した気候と水はけの良い土壌を好み、先述したようなA.O.C.エルミタージュ・ブランやA.O.C.サン・ジョセフ・ブランも作られています。

ルーサンヌよりも栽培しやすいため、栽培面積が増えており、ラングドック・ルシヨン地方や、フランス以外であればアメリカのカリフォルニア州やワシントン州、オーストラリアのヴィクトリア州でも栽培されています。
ヴィクトリア州は世界最古のマルサンヌの畑があることで有名です。

とはいえ、温暖すぎる気候の下ではしまりが無いだらしない味になりますし、涼しすぎる環境では完熟せずに十分なアロマが得られません。

力強い香り立ち

カリンや黄桃など熟れた香りが強く、ほのかにアーモンド、マジパン、ビスケットのような香りが感じられます。
往々にしてボリュームがあり、力強い香り立ちをしています。

しっかりとしたフルボディの味わい

アルコールによる骨格がしっかりした、フルボディの辛口。
口の中で広がり、後味にほのかなナッツのような苦味を残します。

シノニム

エルミタージュ・ブラン(スイス)

マルサンヌとルーサンヌの違い

マルサンヌとルーサンヌは、ブレンドされることが多い品種です。

DNA研究では、マルサンヌとルーサンヌには親子の関係があること分かっていますが、どちらが親などの詳細は明らかになっていません。

マルサンヌの方がボリュームがあり、とろっとした厚みや後味にほのかにナッツのような苦味があるのも特徴的です。ルーサンヌは、洋ナシやカモミールティー、花のようなデリケートな香りが高く、酸味もあります。

ブレンドでは、マルサンヌがしっかりとした骨格と重さを与えるのに対して、ルーサンヌは香りや風味を加えます。

※シャトーヌフ・デュ・パプの白ワインで使用できるのは「ルーサンヌ」です。「マルサンヌ」は使えないので、混同しないようにしましょう。

マルサンヌの主な栽培地

フランスのローヌ地方やサヴォワ地方

ローヌ地方の写真
フランス・ローヌ地方のブドウ畑

主な栽培地はローヌ地方
ルーサンヌと共に栽培され、ブレンドされて一本のワインを作ります。
香りを与えるルーサンヌに対して、味わいのボディを作るのがマルサンヌといわれています。

ローヌ地方のマルサンヌ・ルーサンヌブレンドは厚みがあり、トロみがある舌触りと辛口でほろ苦い味わい。
鶏肉、豚肉や甲殻類との相性が非常に良く、フランクなセミヨンのようなイメージで使うことが出来ます。

ローヌ地方から南に下った、ラングドック・ルシヨン地方でも同様に、ルーサンヌやヴィオニエなどとブレンドされて白ワインになっています。
こちらは比較的カジュアル。
価格的にも味わい的にも日常使いしやすいものが多数あります。

また、サヴォワ地方でも栽培されており、こちらは暑く乾燥したローヌ地方のものとは違った味わいになります。
トロみのあるフルボディな味わいはそのままに、全体的に酸味が増し、透明感のある爽やかな雰囲気があります。
こちらは川魚のバター焼きやムニエル、チーズなどが思い浮かぶ味わい。

その他の国ではスイス、アメリカで栽培

スイスではエルミタージュまたはエルミタージュ・ブランという名前で栽培されています。
特にヴァレー州では甘口になったり、アルコール度数の高いドライなワインになったりと活躍しています。

また、アメリカのワシントン州では、ヴィオニエとのブレンドで活躍しています。
ワシントン州も暑く乾燥した地域で、シラーやヴィオニエなど、ローヌ系の品種が栽培されている地域です。

マルサンヌに合う料理

カリンや黄桃など熟れた香りが強く、後味に広がるほのかなナッツのような苦味が特徴のマルサンヌには、ローストチキンやロブスタービスクなどの、ローストやバターソースを使った濃厚な料理がよく合います。
和食では、銀鱈の西京焼きや茄子田楽も好相性です。

  • 豚肉のロースト
  • ラム肉の香草焼き
  • ロブスタービスク
  • ホタテのバター焼き
  • 銀鱈の西京焼き
  • マッシュポテト
  • 根菜のグラタン
  • ホワイトシチュー
  • ラクレット
  • トム・ド・サヴォワ
  • 白カビチーズ

まとめ

マルサンヌはそこまで目立つ品種ではないですが、南仏のお気軽ブレンドから北ローヌの良質な白ワインを支える縁の下の力持ち的な存在です。

まずは定番としてローヌ系のワインを、そして特にブルゴーニュの白好きな傾けにサヴォワやスイスのマルサンヌを試してみてください。
単一品種としてはまだまだマイナーな存在なので、お買い得なワインがたくさん見つけられますよ。

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