フランス、ボージョレ地方のマルセル・ラピエールは非常に有名な作り手です。
ひとつは、実質上の自然派ワインの父として。
もうひとつは、安酒としてしか見られていなかった、ボージョレ地区のポテンシャルを拓いた生産者として。
彼のワインを飲んで自然派の作りに目覚めた生産者は数知れず、また、彼のワインを飲んでボージョレ地区のポテンシャルを知ったワインファンも数知れません。
ボジョレー・ヌーヴォーがあまりにも有名なボージョレ地区ですが、考えてもみてください。
イベント用に急いで作った、空輸代が値段の3割と言われているヌーヴォーがあれほど美味しいのです。
丁寧に栽培し、丁寧に醸造したワインが美味しくないはずがありません。
「自然派の父、マルセル・ラピエールの代表作クリュ・モルゴン」
一度は飲んでおきたい作品です。
パティシエとして製菓店やカフェのマネージャーを経験。レストランサービスを学ぶため、関西のホテルレストランを中心に約10年以上勤務。ワインに興味がありソムリエ呼称資格を取得。
保有資格
・日本ソムリエ協会 ソムリエ呼称資格
・調理師免許
香り・味の特徴
輝きのあるクリアなレッド。
ほんのりと紫がかっており、若々しくエネルギーに溢れている印象を受けます。
香りがフルに立ち上がるまでには少し時間がかかります。
初めは穏やか、1時間ほどしてからは濃密で力強い香立ちに。
熟したイチゴやブルーベリーにセージ、黒コショウ、スミレの香り。
鉱物的なニュアンスがあり、香りにピシッと輪郭が定まった印象があります。
酸味、渋みがしっかりとあるにもかかわらず、引っ掛かりが無く喉を流れるような飲み口で、とてもピュア。
むちっとした肉厚な果実味に、長い余韻が楽しめます。
ゆっくりと時間をかけながら味わいを発揮する、質の高い一本です。
自然派ワインの父
マルセル・ラピエールはフランス、ボージョレ地区の作り手。
ボージョレの中でも選ばれたクリュ、モルゴン村を本拠地に、質の高いワインをつくっています。
マルセル・ラピエールと聞いてまず皆が思い浮かべるのは、「自然派ワインの父」であるということ。
もちろん、彼にもジョル・シュヴェ氏のような師がいましたし、彼以前にも自然派の手法でワインを作っていたところもあります。
しかし、マルセル・ラピエールはその圧倒的な味わいで一気に自然派ワインファンを増やしてしまいました。
彼から影響を受け、無農薬での栽培や酸化防止剤なしでの醸造を行う作り手は数知れず。
フランス国内にとどまらず、世界中にその影響は広がっています。
拓かれたボージョレ地区の可能性
ラピエールが本拠地を置くのは、モルゴン村。
ボージョレ地区の中でも「クリュ」に制定されている、ポテンシャルの高い土地です。
その村名を名乗るこのワイン、モルゴンは、多くの人たちがイメージする早飲みで軽いボージョレのイメージとは全く異なりました。
華やかながら密に詰まった香り、数十年熟成できそうなストラクチャー。
繊細さと濃密さ、今飲んでも美味しいのに、「熟成」に耐えられる酒質も備え持つ。
専門家はじめ、様々なワイン通の目を開かせるのにこれは十分なインパクトでした。
現在でも、ボジョレー・ヌーヴォーだけのイメージを変えようと、高品質のボージョレワインのプロモーションが行われていますが、その際トップ生産者として必ず名前が挙げられます。
自然派ワインを語るなら、まず避けて通れないワイン。
文句なしのおススメです!