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ギリシャワインの特徴とアシルティコなどおすすめワイン3選

ギリシャのワインの図解

ギリシャはワイン作りのルーツの一つで、遺跡からワインの醸造機材が発掘されており、紀元前3,000年代には既にワインを作っていたとされています。

ミケーネ時代の碑文には「ワイン商」などという言葉が記されており、ワインに関する職業も早くから成立していたことが分かります。

そんなギリシャワインが日本でも飲めるようになってきたのはここ最近のこと。
品質重視の生産者が海外市場に進出し、ようやくここ日本にも輸入されるようになってきました。

ある意味、今のトレンドでもあるギリシャワイン。
読めないラベルの文字が逆にクール。

強烈な個性を持つワインも多く、一度飲んだら忘れられないものばかりです。

ギリシャの主なブドウ品種

近年のワインの世界では、その国や土地に昔からある土着品種を大切にする流れがあります。
そのため、どの国もその土地を代表するような個性的なブドウ品種を抱えているのですが、ここギリシャも例外ではありません。

数も多いので、主要なものを抜粋してご紹介します。

力強い黒ブドウが多い

ギリシャを代表する黒ブドウはクシノマヴロとアギオルギティコです。

エレガントな風味の「クシノマヴロ」

クシノマヴロはネッビオーロとも比較される、タンニンの強さ、酸味の強さ、そしてそれを補って余りあるエレガントな風味が特徴です。

クシノマヴロの写真

クシノマヴロ|画像参照元:Wikipedia

山あいの畑と相性がよく、「P.O.D.ナウサ」、「P.O.D.アミンデオ」で力強さと優美さを兼ね備えた赤ワインが作られています。

豊かな味わいの「アオギルギティコ」

アギオルギティコは力強い果実の風味を持ち、特に樽との相性が良い品種。
樽熟成されることでチョコレートやシナモン、コーヒーなどの香りが現れ、洋酒入りチョコレートのような豊かな味わいを見せます。

アオギルティコの写真

前述したアギオルギティコ|画像参照元:Wikipedia

そういった点ではカルメネールメルローとも風味は似ていますが、よりまろやかで肉付きの良い印象を受けます。

有名な産地は「P.O.D.ネメア」。

その他、ロゼワインやフルーティでさっぱりした軽めのスタイル、甘口にも仕立てられます。

また、マヴロダフネという黒ブドウも有名です。
色鮮やかでジューシーな味わいの甘口に仕立てられる人気のブドウです。
非常に飲み心地が良く、長く観光客に愛されてきました。

これらは、味わいのバランスをとるためや、より親しみやすい味わいに近づけるために、カベルネ・ソーヴィニヨンメルローシラーなどの国際品種とブレンドされるもあります。

骨太〜爽やかさもある白ブドウ

切れ味の鋭い味わいの「アシルティコ」

アシルティコの画像

アシルティコ|画像参照元:ASSYRTIKO, GREECE’S NOBLEST WHITE GRAPE

白ブドウで名前が通っているものは、アシルティコ。
高いアルコール度数と酸味、岩塩の塩苦味がある骨太なワインになります。

酸味が高く、切れ味の鋭い味わいから、魚料理を連想しますが、お刺身のような繊細なものよりは、例えばたっぷりなアラ汁のようにパワフルなイメージ。

樽熟成されることも多く、その場合は更にボディに厚みが出て、香りのボリュームも一層豊かになります。

大変注目されている個性的な品種で、最近では実験好きのオーストラリアで、アシルティコのワインが作られました。

さっぱり系の「レツィーナ」

ギリシャで広く栽培されているサヴァティアノは松ヤニワイン「レツィーナ」の原料。
収穫量も多く見込め、低価格のさっぱりとした白ワインにされることが多い品種ですが、選りすぐりの房から作られたものはまろやかなアプリコットや桃の風味を持ち、安定した味わいになります。

また、マスカットから甘口が、ソーヴィニヨン・ブランシャルドネなど国際品種からも爽やかなワインが作られています。

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洗練されたバランスの「キリ・ヤーニ ラミニスタ P.O.D.ナウサ」

品種クシノマヴロ
産地ギリシャ・ナウサ
価格帯2,600〜3,600円

北部ギリシャの山あいで、クシノマヴロから作られる赤ワイン。
ネッビオーロにも例えられるしっかりとした渋み・酸味、優美な香りが特徴です。

キリ・ヤーニはナウサの代表的な作り手の一つで、クシノマヴロの個性を活かしたまま、口当たりの滑らかさや味わいのバランスなどを洗練させている印象を受けます。

そのため、妙なくせなどもなく、初めての方でもギリシャワインの個性を楽しめる仕上がり。

爽やかな印象の「クルタキス レッチーナ・オブ・アッティカ」

品種サヴァティアーノ種100%
産地中央ギリシャ
アッティカ
価格帯1,500〜2,000円

松ヤニを加えて作られる爽やかなワイン。
鼻をスーッと抜けていく清涼感のある香りと、さっぱりした味わいで、冷やして気軽に飲むことが出来ます。

ギリシャワイン自体たくさん輸入されているというわけではないため、日本で見かける銘柄は大体決まっていますが、伝統的なワインなので是非一度試してみることをおススメします。

エッジの効いた白ワイン「ドメーヌ・シガラス サントリーニ アシルティコ」

品種アシルティコ種100%
産地サントリーニ島
価格帯3,500〜4,500円

アシルティコの特徴

サントリーニ島で作られるアシルティコ。
爽やかな香りと、ボリュームがあり鋭い酸味の味わいで、エッジの効いた白ワインです。
突風が吹き荒れる畑で地を這うようにうねる仕立て方で栽培され、その自然の強さというような、静かな荒々しさが感じられる一本。

ギリシャの5つの主なワインの生産地

ギリシャの写真

ギリシャはヨーロッパでも有数の山岳国。
グーグルマップで見ると良く分かりますが、縦に引っ掻かれでもしたかのように、南北に山並みが連なっています。

地中海とエーゲ海に挟まれ、基本的には温暖な気候なのですが、ところどころ厳しい大陸性気候を示すのは、こういった山がちな地形によるものです。

決して広くはない国土の中に多様な環境が存在し、個性の濃いワインが多く生まれています。

マケドニアやアルバニアと接する、北側から南に向かって主要な産地を見ていきましょう。

1.「クシノマヴロ」で有名なマケドニア

マケドニアの写真

マケドニアの様子|画像参照元:Why Macedonia still has a second name

ギリシャの北側の国境沿いに延びるマケドニアエリアは、東はエーゲ海に向かって開けた平地が多く、西は山岳地域で標高が高い地形になっています。

特に西側が重要で、クシノマヴロという品種からギリシャを代表する赤ワインが作られています。

クシノマヴロの写真

クシロマヴロの写真|画像参照元:Wikipedia

代表的な産地は以下の2つです。

  1. 「P.D.O.ナウサ」
    ヴェルミオン山のふもとで半大陸性気候のナウサはがっしりと肉付きの良い味わい
  2. 「P.D.O.アミンデオン」
    涼しい高原で湖もあり砂質のアミンデオンはふわっとフローラル

特にナウサでは果実味が厚い分、酸味も渋みも強く、味わいのバランスのとり方で2つのスタイルがあります。

一つは酸化的な醸造・熟成で、果実味よりもスパイスやカカオのような香りが前に出るドライなスタイル。
もう一つは豊かな果実味を活かし、フルボディに仕上げる分、口当たりの柔らかさを出そうとするもの。
後者の仲にはカベルネメルローなどをブレンドして、より一般的な味わいに整える試みも多く見られます。

熟成したものなどは非常に優美な表情を見せ、バローロにも匹敵する素晴らしいワインのひとつです。

2.低アルコールで爽やかなワインが多いイピロス

イピロスのブドウ畑

イピロス・ジツァのワイン畑|画像参照元:Zitza Wines, Zitsa, Epirus.

ギリシア半島の最北西、「く」の字をしたギリシャの丁度折り返しの場所がイピロスです。
ここは特に山が多く、殆どが標高700m以上の高地にあるため、生産量は余り多くありません。

白ブドウのデビナから、低アルコールで爽やかなワインが生まれています。
「P.D.O.ジツァ」では、このデビナの白ワインやスパークリングが生産され、広域ではシャルドネソーヴィニヨン・ブランなども栽培されています。

3.中央ギリシャ~「レツィーナ」を作るアッティカ半島

中央ギリシャの写真

中央ギリシャの山岳地帯の様子|画像参照元:https://www.discovergreece.com/en/mainland/central-greece

中央ギリシャからアッティカに至るまでは、西側に山岳地帯が広がっています。
東側には平野があり、エーゲ海に面したテッサリアなどではブレンドの赤ワインが生まれます。

中央ギリシャは、国全体のブドウ栽培面積の内28%を占める大きな産地。
比較的安価なワインを供給しています。

中央ギリシャの画像

中央ギリシャ地方の位置|画像参照元:Wikipedia

ここで有名なのは、ギリシャ半島の先端アッティカで作られる「レツィーナ」
サヴァティアノ種やロディティス種から作られた白ワインに、松ヤニを加えた独特のスタイルを持ちます。

古来、松ヤニをワインの保存のために使っていたのですが、その特徴的な香りが好まれ、次第に香りづけとして使われるようになりました。
その伝統的なスタイルが現在も残されているわけです。

ワインの質の悪さを松ヤニの香りでごまかした粗悪な飲み物というイメージもあるようですが、スーッと鼻を抜ける爽やかな香りは、飲んでいて清々しく心地よいものです。

4.「アギオルギティコ」で有名なペロポネソス半島

ペロポネソスの写真

ペロポネソス半島の様子|画像参照元:Peloponnese: A Mediterranean Rising Star

マケドニアのクシノマヴロと並んでギリシャの黒ブドウの代表格となるのが、ペロポネソスのアギオルギティコ
濃厚な果実味がたっぷりとあり、樽熟成との組み合わせでチョコレートのような豊かな香りを身にまといます。

アオギルティコの写真

アギオルギティコの写真|画像参照元:Wikipedia

そのアギオルギティコの最高の産地が「P.D.O.ネメア」。
ペロポネソス半島の西側に位置し、標高230~900mの山間に畑があります。

標高の低い場所では比較的シンプルなものになるようですが、高所の畑からは熟成ポテンシャルを持ったいわゆるエレガントなアギオルギティコが生まれます。

そういった高所の優れた畑から作られたネメアのワインは、しっかりとした酸味や強い渋みで構成に優れている一方、甘やかさすら感じる果実やチョコレートの香りと柔らかい口当たりがあり、堂々たる味わいになっています。

5.「アシルティコ」も生み出すエーゲ海の島々

ギリシャの中でも特に個性の強いワインは、サントリーニ島のアシルティコという白ブドウから作られます。

このブドウは完熟しても酸味が容易に落ちないという珍しい特徴を持ち、高いアルコール度数と高い酸味、アフターの塩苦みという非常に面白いキャラクターが味わえます。

更にその個性を強めるのが、サントリーニ島の環境です。

サントリーニ島の写真

美しいサントリーニ島

強い日差し、雨のない夏、ブドウの樹を殴りつけるような強風に対応するため、ここではブドウは地を這うように仕立てられ、さながら無数のバスケットが打ち捨てられているような光景になっています。

サントリーニ島のブドウ畑

珍しいブドウ畑の様子|画像参照元:Will We Let Santorini Be More Than Just a Source for “Beach Wines”?

このような仕立て方をしているのは世界でもここくらい。
その過酷な環境は天敵の害虫を寄せつけず、樹齢100年を超える古木のブドウが多く残ります。

また、至高の甘口ワイン「ヴィンサント」も代々作り継がれています。
ヴィンサントといえばイタリアはトスカーナ州の高名な「瞑想ワイン」ですが、起源はこちらの方が古く、ギリシャの神々が楽しんだ酒もかくやと思われる、玄妙にして壮麗な素晴らしい味わいに浸ることができます。

甘口で忘れてはいけないのは「P.D.O.サモス」。
サモス島のブドウ栽培面積の内95%を占めるホワイトマスカットを使い、美しい甘口ワインが作られます。
近年の辛口指向もあり、爽やかな辛口も作られているようです。

格付けは「P.D.O」と「P.G.I」

ギリシャの格付けは、生産地と生産方法を規定するものと、作られる場所には関係なくラベル表示が許されるものがあります。

前者はフランスのA.O.C.などと同じ、ワインの世界ではなじみの深い原産地呼称。
原産地呼称保護のP.D.O.と、より広域のエリアと自由な製法を認めるP.G.I.があり、その下格付け無しのテーブルワインが存在します。

また、「伝統的呼称ワイン」として松ヤニを用いた「レツィーナ」と、ザキントス島で飲み許される「ヴェルデア」があります。
「レツィーナ」は製法の規定が守られていれば、産地に関する制限は設けられていません。

最後に、「単独品種ワイン」という等級があり、地理的表示が出来ないワインでも品種構成をラベルに表示することが出来ます。
これは、ワインを原料のブドウ品種で選ぶ、国際的な市場の流れにあわせたもので、ギリシャワインの競争力を高めるため設けられたようです。

まとめ

ギリシャワインは個性が強く、非常にユニークです。

その個性を味わってみたいのであれば、P.O.D.表示のものや固有品種だけで作られたもの、より取っ付きやすいものから飲んでみたいのであれば、国際品種がブレンドされたものから手にとって見ると良いでしょう。

どれもギリシャ以外で目にすることの少ない品種だと思いますが、例えばクシノマヴロはネッビオーロ、アギオルギティコはメルローグルナッシュ、アシルティコはリースリングシュナン・ブランなどに近い味わいですので、参考にしながら試してみてください。