ニュー・ワールドで最もフランスに近いワイン産地。
それが南アフリカ。
数年前からここ日本でも着々と認知されてきており、南アフリカのワインが美味しいと耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
南半球らしい豊かな香りを持ちながらも、フランスワインの持つエレガンスを良く表現している。
特に、ブルゴーニュ系品種においてそれは顕著です。
同じブドウ品種を使って作られるスパークリングワインもそれは同じこと。
今回は、南アフリカのシャンパーニュ「グラハム・ベック」をご紹介!
甘口→辛口 | |
ボリューム(軽→重) | |
タンニン(控えめ→渋い) | |
酸味(控えめ→しっかり) | |
飲みやすさ(初心者にも◎) | |
プレゼント向き | |
コスパ | |
ひとこと評価 | クリーミーさのあるゴージャスなスパークリング パーティの席で発揮しそう。コスパも良い◎ |
外観・香り・味の特徴
外観
黄金色に輝く外観に、細やかな泡が踊ります。
香り
ボリュームがあり、香立ちは堂々たるもの。
焼きリンゴやブリオッシュ、カスタードに燻製香、軽くライムの皮のような香りがアクセント。
味わい
クリーミーな口当たりで、泡とともにモコモコと味わいが膨らむ、ゴージャスな印象のスパークリングワインです。
シャンパーニュから持ってきた樽を使用し、最低でも4年熟成。
クリュッグのような豪華な味わいを思わせ、価格からは想像できない品質の高さになっています。
南アフリカのシャンパーニュ、MCC
シャンパーニュとは、フランスのシャンパーニュ地方で特殊な作り方をしたスパークリングワインのことを言います。
泡があるワインがすべてシャンパーニュと呼ばれるわけではなく、一種特別なスパークリングワインなのです。
シャンパーニュで使われる特殊な作り方というのが「瓶内二次発酵」。
炭酸ガスを発生させてから瓶詰するのではなく、瓶詰後にボトルの中で再び発酵を起こして炭酸ガスを発生させる手法です。
これによって、混然一体としたきめ細やかな泡立ちが生まれます。
この方法で作られる南アフリカのスパークリングワインを、MCC(メトード・キャップ・クラシック)と呼びます。
南アフリカの生産者たちは非常に知識があり、行動力に富むところが多く、世界のワイン技術を自分のものとしてワイン造りの最先端を走っていく感があります。
ブルゴーニュの生産者など、フランスのワイナリーからも研修に人が来るほど。
このグラハム・ベックも例外ではなく、マムやモエ・エ・シャンドンなどで技術を磨き、シャンパーニュの研究論文を発表するなど、南アフリカのMCCスペシャリストなのです。
シャルドネの好適地、ロバートソン
スパークリングワインは人の手による介入が多いとはいえ、醸造技術だけではやはり最高のスパークリングワインを作るには不十分。
「良いワインは良いブドウから」の格言にもあるように、素晴らしいワインを作るには原料であるブドウの栽培が一番の鍵になってきます。
特に、シャルドネという品種は土地の味を反映する面白くも恐ろしい存在。
ブルゴーニュの特級畑のような場所で栽培されたシャルドネは、鳥肌が立つような緊張感を持った危なくも美しいワインを生み出します。
しかし何ということもない平凡な畑で栽培されると、面白みのないこれまた平凡なワインにしかなりません。
グラハム・ベックのシャルドネが栽培されているロバートソン地区は、その点素晴らしいポテンシャルを秘めた場所。
エネルギッシュなワインを生む花崗岩の上に、シャルドネのエレガンスを引き出す石灰質土壌が広がります。
だから、ロバートソン地区のシャルドネには出来の良いものが多い。
そんなに高くないものでも、なかなか馬鹿にできない良いワインばかり。
瓶内二次発酵のスパークリング、その中でも熱狂的なファンが多いブラン・ド・ブラン(白ブドウだけで作ったシャンパーニュタイプのワイン)に必要不可欠なエレガンス。
それがグラハム・ベックのワインには、生まれながらにして備わっています。
高貴なブドウ品種と、素晴らしい土地、そのポテンシャルを引き出す高い技術。
全てがそろったグラハム・ベックのワインには、何度でも口にしたい、耐えがたい魅力が宿っています。
品質から考えると驚異のお値段。
これを飲まずしてスパークリングワインを語るなかれ!
南アフリカの美味しいワインが飲みたい!
南アフリカ全般のおすすめワイン、産地、品種などについては、こちらの記事で詳しく解説しています。