ワインと聞いてまず思い浮かべる場所はフランス。
ボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュと誰もが知る高級銘柄の産地が揃う、最も有名なワイン生産国です。
また、チーズのような畜産物や豊富な農作物もあり、フランスのワインは豊かな食文化の中で発達してきました。
万人が認めるワイン大国、フランスを見て行きましょう。
パティシエとして製菓店やカフェのマネージャーを経験。レストランサービスを学ぶため、関西のホテルレストランを中心に約10年以上勤務。ワインに興味がありソムリエ呼称資格を取得。
保有資格
・日本ソムリエ協会 ソムリエ呼称資格
・調理師免許
【ソムリエが選ぶ】おすすめのフランスワイン3選
シャトー・ド・ラマルク A.O.C.オー・メドック
オー・メドックの優良シャトー。
カベルネ・ソーヴィニヨン主体で、しっかりとした骨格と気品ある涼やかな香りが楽しめます。
リンクのものは2008年収穫のもので、熟成してむしろカベルネの骨格が分かりやすいかと思います。
メドックのものよりややスレンダー。
ミッシェル・グロ フォンテーヌ・サン・マルタン A.O.C.オート・コート・ド・ニュイ
ブルゴーニュはヴォーヌ・ロマネ村の名門グロ家。
オート・コート・ド・ニュイを名乗れる区画の中で特に特徴のある畑を単一で仕込んでいます。
ブルゴーニュらしい華やかさ、森の香りに加え、ややしっかり目に果実の厚みが感じられる秀作。
アンリオ ブリュット スーヴェラン シャンパーニュ
ピノ・ノワール60%、シャルドネ40%。
ピノはモンターニュ・ド・ランス北側のグラン・クリュ、シャルドネはコート・デ・ブランのグラン・クリュをメインに使用しています。
スーヴェランはスタンダードキュヴェですが、十分シャンパーニュの奥深さを知ることが出来る良質なもの。
細かい泡が口の中で膨らみ、香りは時間と共に変化していきます。
いつか飲みたい超高級なワインの銘柄
フランスワインの歴史は長く、高値がつくワインも多くあります。
誰もが憧れる最高級の「ロマネ・コンティ」
フランス・ブルゴーニュ地方のヴォーヌ・ロマネ村で造られるロマネ・コンティは生産量や希少性、知名度等の観点から、高額で取引されています。
ビオディナミ農法という、農薬や除草剤を一切使用しない有機栽培でブドウを育て、畑の耕作は馬で行います。
価格はオフヴィンテージでも100万は下りません。良年のワインなら200〜300万円といったところですね。
シャトー・シュヴァル・ブラン
カベルネ・フランを主体とし、メルローを同じくらいの割合で使用しています。
香り・品位・フレッシュさ・フルーティーさ・飲みやすさ、どれをとっても一級品。
ヴィンテージでなくとも若いワインも素晴らしい仕上がりです。
ウニコ ヴェガ・シシリア
スペインの主要品種テンプラニーリョを主体にカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、マルベックをブランドした、濃厚でパワフルなワインです。
リリース時には既に10年熟成されており、テンプラニーリョを楽しめる1本ですね。
フランスワインの当たり年を探すには?
もしヴィンテージワインをお探しの人で「当たり年のワインを飲みたい」と思っているなら、エノテカオンラインに載っているヴィンテージチャートがめちゃくちゃ便利です。
以下のような感じで当たり年を確認することができます。
是非参考にしてみてください!
フランスの主な産地、地方
シャンパーニュ地方
フランス北部の町、ランスやエペルネを中心とする特別なスパークリングワインの産地です。
シャンパーニュ地方において、規定の栽培・醸造を経たものだけが「シャンパーニュ」と名乗ることを許されます。
モエ・エ・シャンドンはあまりにも有名なシャンパーニュですね。
シャンパーニュの特徴は、人の手が多く加わるところ。
ブドウ品種、収穫年のブレンド、アルコール発酵後に糖分を加え再醗酵させる手法、澱の活用と排除、門出のリキュールなどなど。
ブドウ栽培の北限に近い場所であり、収穫の質・量のばらつきをカヴァーするために、様々な知恵と工夫が凝らされています。
そうやって歴史の中で作り上げられた、シャンパーニュはいわば手仕事の結晶。
大手メゾンが大多数を占めるシャンパーニュ地方において、RM(=レコルタン・マニピュラン・栽培から醸造までを一貫して行う小規模生産者)が特別扱いされているのも、ワインの世界においてクラフトマンシップが以下に大切にされているかが伺えます。
モンターニュ・ド・ランス、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ、コート・ド・ブラン、コート・ド・バールと各エリアで特徴が別れますが、それぞれのエリア、ブドウ品種、収穫年を組み合わせていかに素晴らしいシャンパーニュを作るかがメゾンの腕の見せ所です。
おすすめ人気シャンパン15選|ソムリエが選び方も伝授!もう迷わない!記念日やプレゼントに シャンパーニュ地方の産地の特徴と製法についてブルゴーニュ地方
「テロワール」という言葉が一番しっくりくるのがここ、ブルゴーニュ地方。
中世、修道院によって形作られた畑は、分割相続の伝統のために細かく細かく分けられて今に至ります。
赤のピノ・ノワールと白のシャルドネ。
同じブドウを使っていても、一つ隣の畑では味が違うということが起こるのがこの場所です。
南北に続く東向き斜面の丘陵地帯は、一見均質な地形に見えます。
その実、東西に走る谷間や微妙な傾斜の違い、足元には多数の断層でモザイク状になった土壌があり、ピノ・ノワールやシャルドネといったブドウ品種はこの違いを如実に味わいに映し出すのです。
ブドウ畑はグラン・クリュ、プルミエ・クリュ、ヴィラージュにランク付けされ、下のランクのものが上のランクのものより素晴らしいということは稀です。
- グラン・クリュ=特級
(例:ロマネ・コンティ) - プルミエ・クリュ=1級
(例:レ・ショーム) - ヴィラージュ=村名
(例:ヴォーヌ・ロマネ) - リージョナル=地方名
(例:ブルゴーニュ)
村ごとに味が異なり、畑ごとに味が異なるかと思えば、遠く離れた村同士が似た土壌を持つために似た味になる。
パズルを一つ一つ解いていくような、難解複雑にして至高のワイン産地です。
ボージョレ地方
ブルゴーニュ地方から南下したところにある産地です。
更に南下するとローヌ地方に至り、花崗岩質の土壌はブルゴーニュよりもローヌに近いものがあります。
品種はピノ・ノワールの弟分とも言うべきガメイ。
ふっくらと優しい果実味が魅力です。
親しみやすい特徴と、ボージョレ・ヌーヴォーのイメージのためか、あまり真面目に取り上げられることの少ない産地ですが、クリュ・ボージョレをはじめとする高品質なワインも生み出しています。
クリュ・ボージョレは、ボージョレ北部の品質の高いワインを生む11の村が名乗るもの。
さしずめボージョレのグラン・クリュといったところです。
花崗岩土壌から生まれる表現力豊かなガメイは、中々ボージョレ以外で目にすることができません。
ボルドー地方
ブルゴーニュ地方と双璧をなす高級ワインの産地。
特に有名なメドック格付けでは、秀逸な61のシャトーが1級から5級に格付けされており、品質の目安となっています。
1級に格付けされているラトゥール、ラフィット、ムートン、マルゴー、オー・ブリオンの5大シャトー、そして甘口ワインの最高峰シャトー・ディケムは、非常に高い価格で取引されています。
- シャトー・ラフィット・ロートシルト
- シャトー・ラトゥール
- シャトー・マルゴー
- シャトー・ムートン・ロートシルトが
- シャトー・オーブリオン
ボルドーのブドウ畑はガロンヌ川とドルドーニュ川、そしてその2つが合流したジロンド川の周りに広がります。
川が運んだ小石、砂利、そして粘土がそれぞれに分布し、畑の環境に合わせて複数種類のブドウ品種を栽培、ブレンドして質の高いワインを生み出します。
数種類のブドウの栽培とブレンド、といった点ではシャンパーニュ地方同様、人が中心となって築いてきたスタイルと言えるかもしれません。
右岸には61の格付けシャトーが存在するメドック地区、より上流のグラーヴ&ペサック・レオニャン地区、ソーテルヌ&バルサック地区。
左岸にはサン・テミリオン地区とポムロール地区などがあり、川に挟まれた場所はアントゥル・ドゥ・メール(=二つの海の間という意味)地区が広がります。
南西地方
ボルドー地方とラングドック・ルシヨン地方、そしてスペインとの国境沿いピレネー山脈に囲まれた場所にある「奥地のワイン」。
フォアグラの産地でもあり、美食のエリアとしても有名です。
広いエリアにわたる産地なので、一言でまとめることは不可能です。
ボルドー地方から続くエリアでは、同様にカベルネ・ソーヴィニヨンやメルロー、ソーヴィニヨン・ブランなどが活躍し、他の地方から離れるにつれて、タナやコー、ネグレットなど土着の品種が表舞台に現れます。
日本ではややマイナーな産地ですが、食事とも楽しみやすいワインが多く、レストランなどで見かけたらぜひ試してほしい場所です。
南西部ベルジュラック、ガロンヌ、トゥールーズ・アヴェイロネ地区のワインの特徴ラングドック・ルシヨン地方
地中海に広がるワイン産地。
ブドウ栽培に非常に適しており、様々な品種、様々なタイプのワインが作られています。
ここも一言でまとめるのは難しく、ヴァン・ド・ナチュールと呼ばれる酒精強化タイプのワインも伝統的に作られています。
近年ここでは産地の階層付けが進んでおり上から、
- クリュ・デュ・ラングドック
- グラン・ヴァン・ドュ・ラングドック
- ラングドック
といったピラミッド構造が出来ています。
クリュのワインは高価なものもありますが、協同組合が作っていたりして比較的安価に手に入るものもあります。
それでもやはりクリュはクリュ。
掘り出し物も多々あり、玉石混交の感がある産地です。
可能性に満ちた、楽しいワイン産地。
プロヴァンス地方
ラングドック・ルシヨン地方から東へ進み、マルセイユからニースにかけて広がる産地がプロヴァンス地方。
フランス屈指のロゼ生産地であり、バンドールのように類稀な骨格と熟成能力を持つロゼワインも生み出します。
白も赤も作っていますが、中々日本で手に入りにくい。
地中海沿岸の爽やかな風を届ける、素敵なワイン産地です。
ローヌ地方
スイスに水源をもつローヌ川。
リヨン周辺で湾曲し、地中海に向けて南下するその渓谷沿いにローヌ地方はあります。
シラー、グルナッシュ、ムールヴェードルを主体とする赤ワインと、ヴィオニエ、ルーサンヌ、マルサンヌの厚みのある白ワインがここの名産。
大きく北部と南部に分けられます。
北部川沿いの急斜面に張り付くようにある畑で栽培されるのは、引き締まり香り高いシラーやヴィオニエ。
南部はローヌ川を中心に地中海に向けて三角形を描くようにブドウ畑が広がります。
グルナッシュを中心に、複数種類のブレンドで形作られるワインは、丸みがありふくよかで優しい重たさ。
北部の厳しく鍛え上げられた味わいと、南部のどっしり堂々とした味わい。
奥深い二面性を見せる産地です。
アルザス地方
ドイツとの国境沿いにあり、ドイツ同様にリースリング、ゲヴュルツトラミネールなど白ワインが中心のワイン産地。
西側にあるヴォージュ山脈が雨を防ぐため、収穫までの期間も長くとることができます。
ここから生まれる力強く香高い白ワインは、肉料理などメインに合わせるべきボディを持ちます。
特に高貴品種と呼ばれるリースリング、ゲヴュルツトラミネール、ミュスカ、ピノ・グリを中心に、ピノ・ブラン、シルヴァネール、赤のピノ・ノワールが栽培されています。
これらのブドウ品種のポテンシャルを開放するのは、ブルゴーニュのようにモザイク状に入り組んだ土壌との組み合わせ。
相性の良い品種と畑が一体となり、素晴らしいワインを生み出します。
現在51のグラン・クリュが認定されており、プルミエ・クリュの整備を進めているところだとか。
グラン・クリュを名乗る品種としては認められていませんが、グラン・クリュの畑で栽培されるピノ・ノワールもその実力を如何なく発揮しています。
ロワール地方
風光明媚な川沿いの景色に古城が溶け込むロワール地方。
中央山塊から始まり大西洋に流れ込むおよそ1,000kmの間で、赤、白、泡、甘口、様々なワインが作られています。
最も上流のサントル・ニヴェルネ地区ではソーヴィニヨン・ブランとピノ・ノワールを主体とした、骨格があり香高いワイン。
そこから下ったトゥーレーヌ地区では、トゥフォーの石灰質土壌を反映した上品さのあるカベルネ・フランとシュナン・ブラン。
アンジュー城があるアンジュー地区では、場所によりリラックスした味わいや、トゥーレーヌ地区に通ずる品格のある味わい。
河口地点になるペイ・ナンテ地区では、ミュスカデというやや無個性な品種とシュール・リー製法の組合せでユニークな海のワインが生まれます。
上流の厳しい表情から、下流の穏やかな表情まで、多彩なワインが生まれる場所です。
ロワール地方のワインの産地や品種の特徴|おすすめワインコルシカ島
地中海に浮かぶコルシカ島は、所属する国こそフランスですが、あらゆる点でイタリアに似た島です。
主要品種であるニエルッキオはイタリアから持ち込まれたサンジョヴェーゼ。
白ブドウのヴェルメンティーノもイタリア沿岸部で多く栽培されている品種です。
「海の中の山」と言われるコルシカ島では、島中央部の山岳地帯を避けるようにして、沿岸部に畑が広がります。
引き締まったボディとカッチリとした力強さを持つニエルッキオ、香りよくふわっとしたシャカレロが、それぞれ独特の魅力を伝えてくれます。
コルシカ島のワインの産地や品種の特徴フランスの主なブドウ品種
フランスのブドウ品種は今や世界中で栽培されているものばかりです。
カベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネなどに至っては、「国際品種」と呼ばれるほど。
余りに多いので、一部をご紹介します。
カベルネ・ソーヴィニヨン
ボルドー地方が代表的な産地。
世界中で栽培されている、赤ワインの代名詞のような存在。
ブドウの成熟が遅く、やや乾燥がちで日照・気温ともに得られる場所でポテンシャルを発揮します。
ボルドー地方でも熱を蓄える砂質のエリアで栽培されており、砂にはカベルネ、粘土にメルローという組合せが有名。
栽培されている場所を上げるときりがありませんが、カリフォルニア、イタリア、チリ、南アフリカ、オーストラリア、ニュージーランド、アルゼンチンなで成功しています。
完熟しても自重に潰されることなく立ち上がってくる、背筋の伸びた骨格が味わいの特徴。
ブルーベリーやカシスの香りが強いメルローに対して、カベルネ・ソーヴィニヨンはどこかに赤いイチゴやチェリーのような、酸味を伴った明るい味わいが感じられます。
香りでいえば、仄かなミントや杉の木を思わせるような気品ある爽やかさがあります。
しっかりとしたタンニン、それに負けない酸味と整ったボディ。
とてもはっきりとした個性を持つ品種です。
メルロー
カベルネ・ソーヴィニヨン同様、ボルドー地方の代表的な品種。
カベルネとは対照的に、メルロは適度な水分を必要とし、比較的早く成熟するため、粘土質の土壌と相性が良いとされています。
カベルネ・ソーヴィニヨンと同じような国で成功を収めており、しばしばブレンドされて1本の素晴らしいワインを作り上げます。
ガッシリとしたタンニンの骨格を覆い隠すほどに肉付きが良く、また、質の良いものになるとシルクとも形容される滑らかな舌触りがあります。
ブルーベリーやカシスの果実香。
樽熟成されると滑らかでリッチな舌触りと相まって、バター感を強く感じます。
ピノ・ノワール
ブルゴーニュを代表する品種。
イチゴ、森の湿った小道、花束や時に香水のように表現される香高さを持ちます。
病害に弱く、育つ環境に敏感に反応するため、栽培が難しい品種と言われています。
同時に、まさにこの特徴こそが、世界中の栽培家、醸造家、愛好家を惹きつける麻薬のようなもの。
そのブドウが育った土地と作柄を、これほどまでに味わいに反映するブドウは他にありません。
一般的に涼しい気候を好み、石灰質の土壌が適していると言われていますが、世界中の様々な土壌で栽培されており、その違いを利き分けるのも楽しいもの。
どうしようもないワインも多く作りますが、生涯の一本として記憶に残るようなワインも作る、不思議なブドウです。
ソムリエが選ぶ!ピノ・ノワールのおすすめ10選、美味しくてコスパの良いワインの選び方|産地や特徴別に解説シラー
ローヌ地方、特に北部の急斜面で栽培されている品種。
暖かく乾燥した場所で、重量級の濃いワインも作れますが、基本的にはピノ・ノワールと共通する香りの華やかさと上品なボディが特徴です。
とは言え、その上品さはカベルネとも似た筋肉質に引き締まった上品さ。
しっかりとした酸味があり、濃く作られてもどこかイチゴやチェリーの赤く明るい香りが見つかります。
イチゴ、小さい花束に、黒コショウやスパイスの香り、しばしば毛皮の香りが感じられます。
ふたつの顔を持つ品種、シラー/シラーズ|特徴とおすすめワインシャルドネ
ブルゴーニュ地方を代表する品種。
同じブルゴーニュ地方のピノ・ノワールと同じように、その土地や作柄を味わいに鋭く反映させる一方で、様々な環境で栽培・醸造できる高い適応力を持っています。
シャブリのように硬く酸が高い果実も、無機物の香りを強く放つものもシャルドネなら、シチリアやカリフォルニアのようにトロピカルで豊満で樽の香りのリッチなものもシャルドネ。
ワインにした時のスタイルの多様さから、どのような栽培・醸造環境にも染まるニュートラルな品種と言われることもありますが、やはりどれを飲んでもシャルドネと気付かせてくれる果実の厚みがあります。
白ブドウの王、シャルドネ|品種の特徴とおすすめワインソーヴィニヨン・ブラン
ボルドー地方とロワール地方(特に上流)を代表する白ブドウ。
はっきりとしたハーブの香りが特徴です。
暖かい気候だとグァバやトロピカルフルーツの香りが感じられ、サンセールのような寒暖差のある大陸性気候の環境では、火打石や硬水のような、無機質な香りが強く現れます。
ボルドー地方のグラーヴ地区、ペサック・レオニャン地区ではセミヨンとブレンドされ、豊かな香り立ちとがっしりした味わいの飲みごたえあるスタイルになります。
幅広い栽培環境に適応し、多少収穫量が多くても品種の特徴が出やすいため、世界中で栽培されています。
とくに有名なのがニュージーランド。
この品種が持つ香りのインパクトを最大限まで高め、世界中を驚かせたのはそれほど昔のことではありません。
シュナン・ブラン
ロワール地方を代表する品種。
過熟させても落ちない酸味と、つるんと整った舌触りを持ちます。
そのため、この品種からイメージする香りはカリンや梨のような食感のあるフルーツに蜂蜜、しばしば河原の石のような無機物的な印象。
また、幅広いタイプのワインになることも魅力のひとつです。
ロワール地方だけでも軽い白からしっかりした白、甘口にスパークリングワインと様々なタイプが作られています。
フランス以外では南アフリカが素晴らしいシュナン・ブランを作っています。
変化自在の品種シュナン・ブランの特徴とおすすめワイン3選リースリング
アルザス地方を代表する品種。
世界でも最も素晴らしい品種のひとつとされています。
ユリの花や蜂蜜、金木犀などを思わせる上品且つ華やかな香りと、享楽的に流れない芯のある骨太な酸味が特徴。
グラン・クリュのリースリングなどは、しっかりとした肉料理やチーズでないと太刀打ちできないほどのスケールの大きさを持ちます。
超辛口から甘口まで、いずれも世界屈指の素晴らしいワインを生み出しています。
フランス以外で有名な産地は、言わずもがなのドイツ、オーストリアに加えて、オーストラリアやアメリカ、ニュージーランドなど。
リースリングは甘口も辛口も絶品|おすすめワインと品種の特徴フランスワインの格付け
フランスのワインはA.O.C.という制度で保護されています。
シャンパーニュやボルドー、ブルゴーニュといった有名産地の名前を騙るワインから本来の産地を守るためであり、更には規定の栽培・醸造条件を満たさないとその名を名乗れないようにすることで産地の品質を保つためでした。
ブルゴーニュ地方のグラン・クリュはこのA.O.C.に則っています。
ブルゴーニュ地方やアルザス地方のグラン・クリュは、畑と栽培・醸造方法によって格付けするやり方。
ブルゴーニュではグラン・クリュ、プルミエ・クリュ、ヴィラージュというピラミッド構造になっています。
近年ラングドック・ルシヨン地方が進めているのも、このピラミッド状の格付け。
もう一つの格付けとして、生産者をランク付けするものがあります。
これはボルドー地方メドックの61のシャトー格付けが有名です。
プロヴァンス地方でも、著名な生産者をクリュ・クラッセとして格付けしています。
全ての産地で格付けが行われているわけではありませんが、公式に格付けされていない産地でも歴史的に名高い畑というものは存在します。
長くワインを飲んでいると、必ず出会うことになりますので、楽しみにしていてください。
格付けの詳細については各地方の記事に書いていますので参考にしていただければ幸いです。
フランスワインの歴史
ワインの歴史については以下の記事に年表形式でまとめておりますので、是非参考になさってください。
ワインの歴史をサクッと年表で覚えてもっと美味しく楽しもう!まとめ
フランスはワインの世界を代表するような国です。
ボルドーの醸造学はあらゆる国のワインの質をボトムアップし、テロワールを作り分けるブルゴーニュの哲学に誰もが憧れを抱く、そうやって世界のワインシーンをリードしてきました。
この記事はフランスワインのほんの一部を切り取ったに過ぎません。
ワインを飲みながら、楽しみながらいろいろなことを発見していってください。