お魚に合わせるワイン、といわれて何を思い浮かべるでしょうか?
「牡蠣にはシャブリ」とよく言われますが、そのシャブリと双璧をなすのが「ミュスカデ」です。
しかも、シャブリよりもオールマイティ!
魚ならばお刺身から焼き魚やソテーまで、そのほかにも野菜もお肉もチーズも、およそ食卓に上るものなら何にでも対応できてしまう万能選手なのです。
その秘訣は、ミュスカデというブドウとシュール・リー製法の組合せ。
今回はミュスカデの中でも「究極のミュスカデ」と呼ばれるシャトー・ド・ラ・ラゴティエールのワインをご紹介します。
パティシエとして製菓店やカフェのマネージャーを経験。レストランサービスを学ぶため、関西のホテルレストランを中心に約10年以上勤務。ワインに興味がありソムリエ呼称資格を取得。
保有資格
・日本ソムリエ協会 ソムリエ呼称資格
・調理師免許
香り・味の特徴
明るい緑がかったイエローの外観。
ふわっと優しく香り立ち、青りんご、ライム、セージの爽やかな香りに、パン生地のような酵母と仄かにスモークの香りがあり、奥行きが感じられます。
味わいはフレッシュで爽快。
ただし、独特の厚みがあり、軽やかな第一印象とは裏腹にしっかりと口の中に味わいが広がります。
日本酒のような旨味すら感じる、しっかりとした酒質のワインです。
旨味を引き出すシュール・リー製法
ミュスカデというブドウは、元々香りの穏やかな品種です。
だから、料理の邪魔をせず、すっと寄り添うような食べ合わせが可能。
どんな料理が相手でも、一歩下がって相手を引き立てることができます。
勿論、ただ香りが弱いワインや、薄いワインだとそういったことはできません。
ミュスカデ・セーヴル・エ・メーヌのエリアでは、シュール・リーという製法を使って、ワインに独特の厚みを持たせているのです。
シュール・リーとはフランス語で「澱の上」という意味。
発酵の際に出る細かな澱と一緒にワインを寝かせ、澱の旨味成分を取り込む製法を指します。
シュール・リーのおかげでワインは優しく穏やかな味わいそのままに、どんなお料理も受け止める懐の深さを手に入れるのです。
同時にパン生地を発酵させているときのような酵母の香りが仄かにつき、香りにも奥行きが出てきます。
ミュスカデという優しい品種とシュール・リー製法の組合せが、どんなお料理とも楽しめる懐の深さの秘密です。
深みのある味わい、ヴィエイユ・ヴィーニュ(古木)
さらに、このワインに使われているミュスカデの木はヴィエイユ・ヴィーニュと呼ばれる古木。
樹齢40~60年の、しっかりと畑に根を伸ばしたブドウの木が使われています。
ブドウは植えられてから3~5年程度でワイン向けに収穫ができるようになるのですが、一般的に30年以上のしっかりと根を伸ばした木の方が味わいが安定する傾向にあります。
また、地中の滋養をしっかりと吸い上げるため、独特の奥行きをもったワインが出来上がるとも言われます。
ヴィエイユ・ヴィーニュのワインが必ず全てワンランク上の美味しさを保証しているわけではありません。
しかしながら、樹齢を重ねた古木はその土地に馴染み、ヴィンテージごとの味のぶれが落ち着き、しっかり安定してくる傾向にあるようです。
ワイン生産者は、そういった古木を持つことを誇りとし、ラベルにヴィエイユ・ヴィーニュと表示します。
このミュスカでは、Decanter誌でミュスカデTOP10にランクイン。
「究極のミュスカデ」とコメントされるなど、各誌で高評価を獲得しています。
実際、この安心感のある味わいは、ミュスカデの中でも頭一つ抜けています。
ミュスカデを代表する1本、ぜひ日頃の食卓のお供にお試しください!