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トスカーナ、マルケ、ラツィオ、アブルッツォ州などの中部イタリアのワインの特徴とおすすめワイン3選

中部イタリアを示すイラスト

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ローマ、フィレンツェ、キアンティ。
イタリアの中心地でもある中部イタリアは、国を代表する黒ブドウ「サンジョヴェーゼ」の一大産地でもあります。

主なブドウは、赤はサンジョヴェーゼとモンテプルチアーノにボルドー系のカベルネ・ソーヴィニヨンメルロー
白はトレッビアーノ、ヴェルディッキオ。

他のエリアと比べるとシンプルな品種構成が、山と海の影響を受けて様々な味わいを生み出します。

同じ品種でエリア違いの飲み比べができるのも、中部イタリアの楽しいところです。

中部イタリアの主なワイン生産地

サンジョベーゼが素晴らしい「トスカーナ州の山側」

イタリアワインを代表する銘柄がそろうのがトスカーナ州。
アペニン山脈が北西から南東にかけて斜めに走り、全体の半分以上が丘陵地帯になっています。

分かりやすい例がキアンティ・クラッシコ地区で、山のサンジョヴェーゼから素晴らしいワインが造られています。

キアンティ地区は広く、それぞれが特徴的な味わいを持つサブ・リージョンがあります。
大雑把に説明してしまうと、北の方が標高が高く、南の方が丘陵地に開けていくため、北から南にかけて味わいが緩やかに果実味が出てくるイメージになっています。

キアンティ・ルフィーナと呼ばれる北のエリアのものと、コッリ・セネージという南の物を比べてみると分かりやすいかと思います。
前者で有名なワイナリーは「セルヴァピアーナ」、後者は色々ありますが、「フェルシナ」など美味でおススメです。

また、もう一つ忘れてはいけないのが、「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノD.O.C.G.」。
同じサンジョヴェーゼで作られる高級銘柄ですが、サンジョヴェーゼ・グロッソと呼ばれる濃いタイプのサンジョヴェーゼを使い、パワフルで長期熟成タイプのワインを作ります。

ブルネッロはこんもりとした円形の丘のようなエリアで、エレガントで美しい北部ブルネッロと、プラムのように完熟した圧巻の南部ブルネッロに大別されます。

有名なワイナリーは数多くありますが、はしりと言われている「ビオンディ・サンティ」を挙げるのが妥当なところでしょうか。

しょっちゅう飲めるようなワインではありませんが、デパートの有料試飲などで目にしたらぜひ試してみてください。

伝説の地「トスカーナ州海岸部」

トスカーナ州の海岸部は、イタリアの新しい可能性を切り開いたいわば伝説の場所。

全ては「サッシカイア」から始まりました。

ボルドーと同じくカベルネ・ソーヴィニヨンをメインとしたブレンドで作られたこのワインは、瞬く間に世界のトップワインとして名を馳せました。

遂にはボルゲリ・サッシカイアD.O.C.G.という専用の格付け認定までされてしまったほど。

サッシカイアの登場が、どれだけ衝撃的であったかがうかがわれます。

その後、トスカーナ沿岸部は一気に高級産地として開拓され、現在に至ります。

サッシカイアが生まれたボルゲリ・エリアを中心に、トスカーナ沿岸部はボルドー系ブレンドの一大産地となっています。

ヴェルディッキオで有名な「マルケ州」

ここの楽しみはなんといってもヴェルディッキオ。
魚の形やアンフォラの形をしたボトルで有名で、イタリア料理店などで一度は目にしたことがあるかと思います。

これは「ヴェルディッキオ・ディ・カステッリ・ディ・イエージD.O.C.」という格付けの白ワインで、フレッシュ&フルーティな飲みやすいワインです。

これはこれで美味しいものの、ヴェルディッキオがこれだけだと思ってしまうと勿体無い。
2~3,000円のボトルのものになると、骨太さと上品さを兼ね備えた、ブルゴーニュシャルドネのような味わいが楽しめます。
ヴィラ・ブッチのワインなど非常におススメです。

ここまでは海に近いヴェルディッキオの話でしたが、この品種実は山の地域でも作られています。
それが「ヴェルディッキオ・ディ・マテリカD.O.C.」。

昼夜の気温差が激しいマテリカ渓谷で作られるヴェルディッキオは、前述の「カステッリ・ディ・イエージ」の厚い果実味に比べて、硬い酸とミネラル感のある味わいとなります。

お店で見かけたら、山と海のヴェルディッキオ飲み比べにもチャレンジしてみてください。

歴史の深い「ラツィオ州」

州都ローマがあるラツィオ州は、古代ローマ帝国からの古い歴史の残る場所。
歴史がある一方で、ワインのほうは余りパッとしない・・・というのが定説になっています。

中世にドイツの騎士が、従者に「先に村に入って、美味しいワインがある店にEst!(ここ!)と書いておけ」と指示したところ、どの店のワインも素晴らしく、村中に「Est!」と書きまくったという伝説で知られる「エスト!エスト!!エスト!!!ディ・モンテフィアスコーネD.O.C.」という格付けワインが有名。

もう一つローマ時代から知られる「フラスカーティD.O.C.」という白の銘柄もありますが、どちらも軽くさらっと飲める程度で、高品質なものが語られることもありません。

一般に肉には赤、魚には白といわれていますが、ここローマでは肉料理にも白ワインで楽しむそうです。

山岳地帯「アブルッツォ州」

アブルッツォ州はほとんど山で、平野部が1%のみ、「人より羊の方が多い」といわれるような山岳地帯。

ブドウ畑は山と海に挟まれた丘陵地帯で栽培されるため、海の穏やかな気候と山の涼しげな風でバランスよく成長します。

ブドウは赤のモンテプルチアーノと白のトレッビアーノ。
どちらも安価なものが多く作られますが、やさしい口当たりとふくよかな飲み口で、これが結構飲ませます。

また、「チェラスオーロ」と呼ばれるモンテプルチアーノで作られる辛口ロゼは非常に出来が良いものばかり。
量産しても濃くなりがちなモンテプルチアーノをロゼにすることで、味わいの風通しが良くなり、果実味と後味の切れを備えた秀逸な食中酒が出来上がります。

中部イタリアの主なブドウ品種

「サンジョヴェーゼ」の天国

中部イタリアはとにかくサンジョヴェーゼが素晴らしいです。

アペニン山脈の山間から、ティレニア海沿岸まで、いたるところで高品質な赤ワインを生み出しています。

スタイルも様々で、ボルドーワインのようにがっしりとした骨格で重たい味わいのものもあれば、ブルゴーニュワインのように華やかな香りと凛とした雰囲気のものも。

さて、同じ品種のブドウの中にも、実は細かな違いがあります。 これを「クローン」と呼びます。
同じ品種でもこっちとあっちじゃ味が違う、というのは気候や土壌の他に、このクローンが原因だったりします。

なぜここでそんな細かい話が出るのかというと、サンジョヴェーゼはクローンの数が非常に多く、その中からより良いクローンを探し出すべく大規模な研究を行った歴史があるからです。

そこで選別された優良なサンジョヴェーゼ・クローンが、現在のキアンティやブルネッロの名声を支えています。

有名なクローンはサンジョヴェーゼ・グロッソ、サンジョヴェーゼ・ピッコロ。

グロッソは大粒で厚い皮を持ち、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノD.O.C.G.に使用されます。

ピッコロは引き締まった小粒のブドウで、キアンティ・クラッシコD.O.C.G.で用いられるサンジョヴェーゼです。

高級なサンジョヴェーゼワインの説明では、たまにグロッソやらピッコロやらの名前が出てくることがありますが、サンジョヴェーゼの中でも選別したクローンを使っているということです。

コスパの良い「モンテプルチアーノ」

もう一つ重要な赤ワイン用ブドウは、モンテプルチアーノ

果皮が厚く、大量生産しても濃くしっかりとしたワインが作れる便利なブドウです。

そのため、モンテプルチアーノで作られたワインは安くても比較的飲ませるものが多く、大変重宝します。

このブドウはロゼにも向いており、このロゼは「チェラスオーロ」という名前で親しまれています。

ともすればベターっと濃くなってしまうモンテプルチアーノに、白ワイン的な抜けのよさと爽やかさを加えた、良質のワインです。

白はヴェルディッキオとトレッビアーノ

白だとヴェルディッキオから作られるワインに素晴らしいものが多い。

酸も強く味わいも厚く、ともすれば暴れ気味の味わいになるワイルドな品種で、これをどう手懐けるかが作り手の腕の見せ所です。

トレッビアーノは中部イタリアで広く栽培されている白ブドウですが、その品質はまちまち。 基本的に水っぽくさらっとした安ワインはトレッビアーノで作られていることが多いですが、中には収量を抑えて本格的なものを作っているところもあります。

中部イタリアの格付けワイン

中部トスカーナでは、同じ品種だけれど場所で味が違うものが多く、品種ごとに格付けワインを紹介します。

イタリアワインの格付けについては以下の記事を参考にしてください。

イタリアの図解イタリアワインの各地方ごとの特徴と厳選おすすめワイン3選

サンジョヴェーゼの格付けワイン

有名なのは「キアンティD.O.C.G.」、よりエリアが限定された「キアンティ・クラッシコD.O.C.G.」、そして高級銘柄「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノD.O.C.G.」。

寒暖差の激しい山で育ったサンジョヴェーゼらしく、強めの酸味とスパイシーなニュアンスのあるキアンティ、そこから南西へ下った丘の、力強く熟したブルネッロでは、同じブドウを使っていても味わいが大きく異なります。

更に海の方へ下ると、温暖な「スヴェレートD.O.C.G.」や「モレッリーノ・ディ・スカンサーノD.O.C.G.」もあり、果実味たっぷりのジューシーなサンジョヴェーゼが楽しめます。

また、ブルネッロやキアンティの影に隠れがちですが、キアンティエリア北部に「カルミニャーノD.O.C.G.」、アブルッツォ州との境目に「ヴィーの・ノービレ・ディ・モンテプルチャーノD.O.C.G.」があり、いずれもサンジョヴェーゼメインで作られています。

カルミニャーノは伝統的にカベルネ・ソーヴィニヨンをブレンドする格付けで、カベルネのシャキッとしたフォーマルな味わいが良い具合にプラスされています。

国際品種の格付けワイン

カベルネ・ソーヴィニヨンメルローなどの国際品種は、トスカーナ州沿岸部を中心に栽培されています。

ボルドーと同じような品種構成でも、トスカーナ独特の酸味や、マンダリンオレンジのような明るい完熟感があり、一つのスタイルとして定着している感があります。

とはいえ伝統的なサンジョヴェーゼとは違い、国際品種は基本的に新規参入組。
広域の「トスカーナI.G.T.」や格付け無しで作られた高級ワインも多々あります。

有名な格付けは「ボルゲリD.O.C.」。
内陸に隣り合わせた「スヴェレートD.O.C.G.」でもカ、ベルネ、メルロを主体としたワインが作られています。

格付けにはありませんが、トスカーナ州沿岸部で作られるシラーなども上質なものがあります。

モンテプルチアーノの格付けワイン

モンテプルチアーノはなんといってもアブルッツォ州の「モンテプルチアーノ・ダブルッツォD.O.C.」。

また、北隣のマルケ州でも「ロッソ・コーネロD.O.C.G.」という銘柄があり、しっかりとした濃さと裏腹のやさしい口当たりを持ったモンテプルチアーノがあります。
ウマニ・ロンキというワイナリーが両方で秀逸なものを作っています。

白の格付けワイン

飲み応えのある白として、マルケ州の海のヴェルディッキオ・ディ・「カステッリ・ディ・イエージD.O.C.」、山のヴェルディッキオ・「ディ・マテリカD.O.C.」があります。

その他はトレッビアーノ種やマルヴァジア種をメインに作られる銘柄が幾つかありますが、特筆すべきものはあまりありません。
とはいえ、近年は量より質を取り高品質なものを求める生産者も増えてきたようで、今後に期待が持てるエリアでもあります。

トスカーナ州の「ヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミャーノD.O.C.G.」はヴェルナッチャ種で作られ、アーモンドのようなコクが特徴。

よく見かけるものとして「トレッビアーノ・ダブルッツォD.O.C.」や「フラスカーティD.O.C.」、「エスト!エスト!!エスト!!!ディ・モンテフィアスコーネD.O.C.」があります。

【ソムリエが選ぶ】おすすめの中部イタリアワイン

酸味と甘酸っぱさの「ファットリア・ディ・バッシャーノ キアンティ・ルフィーナ リゼルヴァ」

おすすめのキアンティは沢山ありますし、ネット上に情報もそろっていますので、色々なものを試してみてください。
キアンティ・ルフィーナはキアンティ地区の最北部、山の中で作られているので、山のサンジョヴェーゼの、縦に伸びる酸味と甘酸っぱいような細い果実味が味わえます。

より濃く、しっかりとしたキアンティも多い中、森の中の野イチゴのようなこの味わいはサンジョヴェーゼを理解するうえで一度は飲んでおきたいものです。

デイリーワインにおすすめ「ウマニ・ロンキ モンテプルチアーノ・ダブルッツォ」

ウマニ・ロンキはこのモンテプルチアーノ・ダブルッツォ以外にも、ロッソ・コネーロを作っています。
どちらも同じモンテプルチアーノ、同じ作り手なので、エリアによる味の違いが良く分かります。

とはいえモンテプルチアーノ・ダブルッツォは楽しんで飲む日常酒。
毎日の食事とどうぞ。

骨太な「ヴィラ・ブッチ ヴェルディッキオ・ディ・カステッリ・ディ・イエージ」

ブルゴーニュスタイルを目指して作るヴェルディッキオ。
千円台のヴェルディッキオとはまた違った、骨太で力強い表現が楽しめます。

まとめ

トスカーナ州を擁する中部イタリアは、イタリアワイン全体を代表するような産地です。
そのため、高級ワインも日常酒も様々揃い、日本にもいろいろと輸入されています。
トスカーナ州のワインやヴェルディッキオなんかは、スーパーでも見かけることが多いものなので、食材買いがてら手に入れるのも楽しいですよ。