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オーストラリアワインの産地ごとの特徴とおすすめワイン3選

オーストラリアを表すイラスト

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ご存知の通りオーストラリアは広い国です。

面積は大体日本の20倍、世界第6位の大きな国なので、当然場所によって全く異なるワインが生まれます。

実際にワインが作られているのは南側だけで、北側では作られていないわけですが、ワイン産地の北端から南端まではおよそ3,000kmの距離があり、これは南北に長いと言われているチリのワイン産地よりも大きな距離。

作り手のスタイルも、クラシックなものから若く小規模な自然派まで様々で、いつの時代も飽きさせない懐の深さがあります。

飲めば飲むほど面白いオーストラリアワインを紹介します。

オーストラリアワインの主な生産地

オーストラリアで初めて商業的なワイン用ブドウ園が開かれたのが1825年、シドニー近郊のハンター・ヴァレーでのこと。
それから次々にワイン生産が広がっていきましたが、19世紀中ごろに宗教迫害から逃れてドイツからの入植者が興したのが現在のバロッサ・ヴァレーやクレア・ヴァレー、イーデン・ヴァレーの基礎を築いています。

現在のオーストラリアワインのイメージといえば、濃厚で力強い「シラーズ」や、「イエロー・テイル」のようなフルーティでちょっぴり甘いカジュアルなもの、またはトレンドの自然派ワインかもしれませんが、ここも他の国と同じで少しずつ積み重ねられてきた幅広いワインの歴史があります。

オーストラリアのクラシック「西オーストラリア州」

西オーストラリア州のワイン生産は、州都パースから南下する歴史をたどりました。
生産量は少ないですが、高級なワインを多数作っており、オーストラリアの中でも外せないクラシック産地となっています。

西オーストラリア州ワイン生産の始まりであるスワイン・ディストリクトは暖かい地中海性気候のエリア。
シュナン・ブランセミヨンなどから始まった産地ですが、シラーズなど赤ワイン生産も活発です。

その後、南下したところによりポテンシャルの高い気候があることが分かり、マーガレット・リヴァーやグレート・サザンといった産地が開拓されます。

インド洋に突き出た冷涼なエリアで、特にジョン・グラッドストーンズ博士にボルドーと酷似していると指摘されたマーガレット・リヴァーは、続々とワイナリーが建設されました。

ヴァス・フェリックスやモスウッド、カレンやルーウィン・エステートなど初期のワイナリーは、すぐに高評価を獲得し、今ではオーストラリアのカベルネ・ソーヴィニヨンシャルドネを語る際に外せない大御所となっています。

こういったエリアは、暑く乾燥したオーストラリアの中でも比較的涼しく、何より降雨量があるので、しっとりとした上品さを湛えたワインになります。

グレート・サザンでも特に小地区マウント・バーカーのフォレスト・ヒル・ヴィンヤードの作るリースリングのような、ふっくらした芯のある味わいは、南オーストラリア州イーデン・ヴァレーのリースリングなどと比べるとまた違った個性を持ちます。

リースリング、シラーズの名産地「南オーストラリア州」

世界最古のブドウの木が残る場所であり、ドイツ系移民の影響が強く、リースリングの名産地もここに集まります。

シラーズといえば「バロッサ・ヴァレー」

オーストラリアのシラーズを代表しているのが、バロッサ・ヴァレー。
ペンフォールズが本拠を構え、力強いシラーズを生み出しています。

バロッサは隣のイーデン・ヴァレーから斜面を下った、一段低い谷底にあります。
そのため温暖で、日照豊富、どっしりと構えた深い味わいのシラーズが出来る場所です。

恐らく現存する中で世界最古であろう、ラングメイル・ワイナリーの1843年植樹のシラーズの超古木を初め、古いシラーズが多く残っており、古木の保存にも力を入れているそうです。

また、現在ではあまり話題に上らないかもしれませんが、バロッサはポートと同じスタイルで作られる酒精強化ワインの名産地でもありました。
完熟したシラーズやグルナッシュのブドウの甘みを残したままアルコールを足して作られるこれらのワインは、力強さに熟成感が重なり、素晴らしい味わいになるそう。

キレのあるリースリング「イーデン・ヴァレー」

バロッサ・ヴァレーから斜面を登ったところにあるイーデン・ヴァレーは、クレア・ヴァレーと並ぶリースリングの名産地です。
バロッサよりは涼しくなり、リースリングはライムジュースのような切れのある味わい。
ヘンチキのシラーズの畑もあり、シラーズも素晴らしいものができています。

冷涼地域「クレア・ヴァレー」

もう一つのリースリング名産地クレア・ヴァレーは石灰質土壌が多く、リースリングに限らずシラーズも良いものが生まれます。

グロセットはモーゼルと同じ粘板岩のある畑からもリースリングを作っており、切れのある柑橘系の香りの中に蜜のようなコクがある素晴らしい味わい。

ここのシラーズやカベルネ・ソーヴィニヨンは、フレッシュで縦に伸びる爽やかな味わいを持っており、バロッサのシラーズとはまた違う魅力があります。

州都アデレードの南側に広がるのが冷涼な丘陵地帯で、シャルドネピノ・ノワールソーヴィニヨン・ブランが栽培されています。
特に気温が下がる斜面で、冷涼地域として改めて評価を受けているエリアです。

カベルネ・ソーヴィニヨンは「クナワラ」

これらの産地から南東に離れた場所に、カベルネ・ソーヴィニヨンの名産地にクナワラがあります。
西オーストラリアのマーガレット・リヴァー同様、ボルドーに似た気候ですが、晩夏に続く曇りの日で、ゆっくりとブドウが成熟していきます。

この辺りは石灰岩が露出するエリアで、地表は酸化した鉄分を含んで赤くなった粘土質が混じった「テラロッサ」と呼ばれる土壌。
完熟しつつも柔らかな舌触りやミンティなアクセントを持つ、最上級のカベルネがここから生まれます。

勿論石灰質と相性のよいシャルドネも良いものが生まれますし、シラーズもクレア・ヴァレー同様のフレッシュなスタイルで素晴らしい質のものになります。

始まりの場所「ニュー・サウス・ウェールズ州」

オーストラリアワイン産業のスタート地点とも言える場所がここです。
シラーズと並んで忘れてはならないのが、ここで作られているセミヨン

シドニー近郊のハンターで作られるやや早摘みの辛口セミヨンは、「ハンター・セミン」と呼ばれ非常な人気です。

爽やかな水のような飲み口でぐいぐいといけるハンター・セミヨンですが、熟成させることで真価を発揮することでも有名。
熟成年数がたつにつれて、さっぱりしていたはずのセミヨンがぐんぐんと厚みを増し、藁のような風味やナッツ、トロピカルフルーツの豊かな味わいに変化します。

ティレルズ社が若いものとやや熟成させたもの両方をリリースしているので、飲み比べると面白くおススメです。

他のエリアと同様、ここでも冷涼産地の発見がひとつの大きな動きになっており、大分水嶺の斜面づたいにカウラ、マジー、オレンジといった標高の高いエリアが続きます。

段々と標高の高いところへ畑が進出していったため、標高900mほどにも達するオレンジと300mほどのカウラとはやや差が出ていますが、全体として白ブドウの出来が良いようです。

シャルドネをはじめ、ソーヴィニヨン・ブランリースリング、シラーズやカベルネ・ソーヴィニヨンなど幅広く栽培されています。

酒精強化ワインの歴史的産地「ヴィクトリア州」

中小規模のワイナリーが多い上に、沿岸部の産地は冷涼。
そのため質の良いピノ・ノワールシャルドネを強力な武器として現在注目を集めています。

特に、ヤラ・ヴァレーやモーニングトン・ペニンシュラ、ジーロングはメルボルンのあるポートフィリップ湾をぐるっと囲むように続く涼しい産地。
オーストラリア最上のピノ・ノワールが出来る土地です。

やや内陸へ行くと、シラーズカベルネ・ソーヴィニヨンも目立って活躍しています。

ラザグレンで作られる酒精強化ワインも素晴らしく、南オーストラリア州バロッサと並び、オーストラリアの酒精強化ワインの歴史的産地です。
こちらはマスカットを用いた香り高いものが主体となります。

これからが楽しみな「タスマニア州」

メルボルンから海を南へ渡ったところにある島がタスマニア。

シャンパーニュ地方と同じくらいの冷涼産地で、スパークリングワインや高品質なシャルドネピノ・ノワールの生み出される場所です。

シャンドンなど大手ワイナリーの原料供給地しもなっていますが、小規模な生産者が作る美しいブルゴーニュスタイルのワインが要チェック。

綺麗で滑らかなジョセフ・クローミーや、しっかり熟したドメーヌA、アプスレイ・ゴージュなど、素晴らしいワイナリーに加え新しく設立されるところも多く、非常に面白い産地になっています。

オーストラリアの主なブドウ品種

これまで見てきたように、オーストラリアでは様々な品種が栽培されており、それぞれで素晴らしい結果を出しています。

暑いエリアから冷涼なエリアまで幅広く、なおかつ涼しくても日照量が得られるため色々な品種に対応できるのです。

オーストラリアのワインと言えば「シラーズ」

オーストラリアのイメージといえば、まずはシラーズが出てくると思います。
今やフルーツ爆弾と呼ばれるようなジャミーなスタイルを期待する人は少ないでしょうが、それでも堂々と完熟したバロッサのものから、フレッシュでスパイシー、北ローヌを思わせるようなエレガンスを持ったクレア・ヴァレーや優しいヤラ・ヴァレーのものまで、スタイルは様々。

オーストラリアのシラーズはどれも果実感が綺麗に出ており、冷涼エリアでは白胡椒やハーブの香りが出てスーッと心地よい雰囲気になります。

フレッシュなタイプが多い「カベルネ・ソーヴィニヨン」

カベルネ・ソーヴィニヨンも同じようにどっしり構えた完熟タイプからフレッシュなものまでありますが、傾向としてはフレッシュタイプが増えてきています。

黒系果実にミントのアクセントがついているものが多く、よく熟した中にも背筋の伸びた気持ち良い味わい。

マルベックとブレンドされることもあり、その場合はアーシーでグリップ感のある味わいがプラスされるように思います。

トロピカル系「セミヨン」

ハンター・セミヨンで有名なセミヨンは、ボルドーソーヴィニヨン・ブランとブレンドされる品種ですが、熟成してから味わいを増していく面白い特徴があります。

よく言われる味わいは、麦わらやナッツ、トロピカルフルーツ。

ハンター・セミヨンのような水っぽいというか爽やかな味わいのものでも、熟成させるとフレッシュさはそのままに厚くナッティな味わいが出てきます。

辛口めの「リースリング」

ドイツ系移民入植の歴史を思い出させるリースリングは、オーストラリアでは残糖無しの辛口に仕上げられることが多いです。

イーデン・ヴァレーのライムジュースのようなカキーンとした味わいと、西オーストラリアで見るようなふくよかな芯がある味わいがあります。

また、名産地として名高いクレア・ヴァレーのポーリッシュ・ヒルにはモーゼルと同じ粘板岩土壌があり、素晴らしいリースリングを生み出しています。

年々品質が良くなっている「シャルドネ」

シャルドネは近年の冷涼産地ブームで次々と良いものが出てきています。

シャルドネの良作として初めに挙がるのがマーガレット・リヴァーのもの。
ルーウィン・エステートを初めとし、ヴァス・フェリックスなど素晴らしいシャルドネの作り手がいます。

クリーミーに感じることもある「ピノ・ノワール」

オーストラリアのピノ・ノワールは基本的にフレッシュで綺麗なものが多く、舌触りの滑らかさと果実味が相まってクリーミーに感じることもあります。

ヤラ・ヴァレーやタスマニアなど、本当に良いピノが生まれてきています。

格付けは無く、原産地呼称GIでエリアの記載

他の多くのニュー・ワールドと同様、オーストラリアの原産地呼称にもフランスのAOCのような上下関係はありません。
オーストラリアの原産地呼称はGI(Geographical Indications)と呼ばれ、純粋に栽培エリアを規定しています。

ヨーロッパ諸国に比べ自由度が高く、色々な栽培方法や醸造を試せるため、常に新しい試みが生まれてきており、それがオーストラリアらしさにもつながっています。

【ソムリエが選ぶ】おすすめのオーストラリアワイン3選

どっしり&ふくよかな味わいの「ラングメイル ヴァレー・フロア シラーズ G.I.バロッサ・ヴァレー」

オーストラリアのシラーズを代表する、バロッサ・ヴァレーの老舗ラングメイル・ワイナリーから。
古木が多いバロッサらしく、樹齢100年の樹も混ざっている19の村のブドウをブレンドしています。
バロッサ・ヴァレーの広い範囲のシラーズが入っているため、バロッサの個性を俯瞰するにはうってつけで、完熟したどっしり&ふくよかな味わいが楽しめます。

バランスの良い「ルーウィン・エステート プレリュード シャルドネ G.I.マーガレット・リヴァー」

マーガレット・リヴァー開拓者のひとつ、ルーウィン・エステートのシャルドネ
フレッシュな味わい、けれどもギスギスしない柔らかさがあり、良いバランス感覚です。
樽の風味もサラッとしたタッチで馴染みが良く、上品。
無理のない自然な味わいからマーガレット・リヴァーらしさが見えてきます。

タスマニアのピノなら「ジョセフ・クローミー ピノ・ノワール G.I.タスマニア」

注目の冷涼産地タスマニアのピノ・ノワール
クロスグリのような果実の甘やかさをベースに、ナッツや森の香りなどが重層的に重なる素晴らしいピノノワール。
おおらかさとヌケの良さを合わせ持った、タスマニアピノの代表作です。

まとめ

オーストラリアは広く、バラエティ豊かなワイン産地なので、ここにご紹介したもの以外にも面白いワインや産地は沢山あります。

また、Wine Australia やAWRIを中心に、詳細なデータ発信がなされているため、深掘りしようと思えばかなりつっこんだ所まで調べられるので、興味がある方は色々と探してみてください。

同様にワインメーカーも科学的なデータに基づいて新しいことを次々と試しています。
オーストラリアワインの全体像は日々変化を続けている状態。
全く飽きさせない、面白い産地です。